『英語とは何か』(受験英語も実用英語も) | An Ulterior Weblog

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「13」を英語でどう発音しますか?

 

いきなりなんだこんな問題、と怒らないでほしい。ここでちょっと条件がある。
あなたは英国北部のスコットランドのどこかの町に今居るとしての話。さて。。。

 

答えは後程にして、表題の『。。。』部分は最近出た南條竹則氏の新書である。(。。。)は私が勝手につけた。

https://www.amazon.co.jp/dp/4797680261/

南條氏は作家、翻訳家、東京外大講師。現在、59か60のお歳で東大大学院で英文学修士を得ているのに講師だから、東外大の学閥の壁だろうか。
それはさておき、本書はいま、英語を学習されている方、就学児童のいらっしゃるご家庭、これから英語を本気でやろうと考えている方がぜひ読んでほしい1冊である。いろいろな学習法の本に手を伸ばす前に是非これを読んでほしいと思い、ここにご紹介させていただく。

税込799円と特別高くはない。内容からすれば十分安い。

 

英語の歴史的な側面、大戦前までの世界語の歴史に始まり、他の言語との関係、各国の英語教育事情、早期英語教育や学習で身に付けるべきことは何かといったことが書かれている。エスペラント語の話も出てくる(日本人の理系専門書で、索引にエスペラント語が付記されたものを1冊だけ持っているが、読めない)。フランス人は話せるのに話さないというのは嘘で話せない、という話は私も現地で何度も確認している。パリ大学の学生が自分よりずっと話せなかった。早期教育については他国の例も踏まえて批判的で、失うことの方を考えていないと糾弾する。全く同意見である。

今、実用英語(著者はこの言葉にも異を唱えている)を声高に唱える人は、この日本語と相性の悪い言語を習得に費やす時間のことを考慮していない。のめり込んで点数アップにしか目がいかないからである。そのため、日本語にしわ寄せが出たり、他の趣味や活動を制限され、英語の学習をするということは何かの学習を排除していることに全く無頓着である。ちなみに意識的にか、TOEICやTOEFLといった文字は出てこなかった。英検もなかったはずである。

 

私のこれまでしてきた主張と同じである。さらに言えば、人間形成で大事な時期を英語に多く奪われ、年をとったら英語以外は大して何もできない。しかも、AIが発達してくると会話はAIがやってくれて、今までの苦労がパーとかいうことが数年後には起きかねない。いま、自分は年内には英論文を書きあげなければならないから仕方がないが、そのうち、英語の全論文を読んだAIが日本語原稿から英文を作ってくれるようになるかもしれない。
本書では早期教育について1つだけ利点を述べている。耳である。これもこれまで何度か書いてきたが、同意する。大学までどう展開すべきなのか(第二外国語まで含め、従来寄りとだけは言えるだろう)詳しくは本書を購入して読んでほしい。ここの読者が一番知りたいことかもしれないが、商売の邪魔はあまりできない。

 

ほかに英国人が見下していたアメリカ英語が大戦後世界の中心となって苦々しい思いを持っているらしいことも書かれている。
終わりには発音に関しては日本人はイタリア語やスペイン語はそれほど苦労はない(しかし、格変化とか文法が大変)。これは自分の現地経験でもそうである。とても聞き取りやすいし、こっちの発音も通じる。ドイツ語も比較的可能。フランス語は自分には英語より難しい。著者はオスマン帝国支配が今のアメリカのように進んでいたら、トルコ語と日本語は構造が似ているので、楽になったかもしれないとも書いている。

 

私には実用英語といっている人たちは受験英語で苦しめられかつ使えなかったことへの感情的な反発から偏重が強いのだろうと思う。一方で受験の方も伊藤和夫を中心として予備校の指導というものが変に独走してしまったという面がある。私はある意味両方からそっぽを向かれたようなものだが、いわゆる昔からの学校英語(予備校英語もしくは受験英語ではない)が問題はあるにせよ、結局は日本人の道に近かったと確信している。英語の何をしてきたか(文学か歴史か実ビジネスかなど)、その素養が重要だ。試験というものを絶対的な実力や指標などとみなさず、役に立たない小さなものとし、とてつもなく広い言葉の海の中で遊ぶという感覚で望まないととてもネイティブらと意思疎通など進まない。


さて、冒頭の解答。「ティルティーン」か「チルティーン」と聞こえる。決して「サーティーン」などではない。これは本書とは直接は関係なく、自分の経験。同じ英国といっても発音が全然違う。実用英語が重要と試験対策に明け暮れてばかりいても現地で過ごす力には直結しない。会話はほんとに現地もの。最終的には行って体験して身に付けるしかない。このことは本書でも述べられている。受検費用を海外見聞に回した方がよい。

新書でよくここまで多角的に書けるものだと感心した。多くの人はごく一部しか読まないかほとんど興味を示さないかもしれない。特に実用英語派の方々。その行為自体が彼らの実力の結末を示している。

 

これで英語話も終了。論文対応をきっかけに続いたがここで一旦お仕舞い。

 

 

人間というのは不思議だ。低い実力のときには上のレベルのものに全くといっていいほど歯が立たない。上は上、下は下とほとんど完全にわかれる。上の問題を3割は解けるとかいうことがない。それだから、検定試験が有効で幅を利かすことができるのだろう。にもかかわらず、TOEIC900以上から満点の人たちでも書いた英文にまともなものを見たことがほとんどない。私は自戒も込めて会話より英作文をもっと学校教育に盛り込むべきだと思っているが、学校の先生にはかなりの負担なのは事実。そのネックが日本人の英語の成績だけでなく、全体的に変な英語と言われてしまう所以だろう。