日本の中でも有名なスキー場、草津国際で3000年も眠っていた山に新たな噴火口が発生し、残念なことに死傷者が出てしまった。
その後の調査では思っていた以上の噴火活動が認められ、おそらく、これまでの上部コースはもう使うことはできないだろう。草津の観光としては大きな打撃だ。現在の商いをしているところは何とか持つだろうが、徐々に温泉街としてしぼんでいく可能性がある。
噴火予知は地表変動が事前に出る比較的活発な領域ではわかる場合もあるが、基本的には予知不能だろう。
今回の件で、テレビで噴火に遭遇したときの対策がTV局でいろいろ人を呼んで解説していたりした。全部を見ていたわけではないが、どうして肝心のことを知らないのかと驚くばかりだった。
被害に遭われたのは訓練にしてもレジャーにしても、スキーやスノボードで来ていた人たちばかりだ。ヘルメットをしている人もそれなりに居たようだが、何より一番の防災道具を活用することに誰も触れていない。本人たちがスキーやスノーボードをしないからだろう。
建物が近くにある場合はいいが、多くは違うだろう。スキーかスノーボードで身を守ることになぜ誰も触れないのか全く驚くばかりだ。スキーやスノボは人が乗って何mも高いところからジャンプして着地しても平気な頑丈なものだ。しかも弾力性があり、衝撃吸収力に優れる。これを利用しないなんて考えられない。
ゴンドラの中だと、スキーは外にあるが窓を下して何とか中に持ち込みたいし、スノーボードならそれをそのまま頭の上に滑走面を上にして持って床にしゃがむ。ボードの下に2人ぐらいは収まる。
滑っているときはとにかく、直滑降でできるだけ離れた場所へと突き進む。リフトにいれば、フード付きでもなければ、できれば飛び降りて(上級者と一緒に飛び降りるのがいい)、その場から一刻も早く離脱したい。スキーをつけていると重心が下になるので、体が回って胸や頭から直接打ち付けられるということがない。もっとも、高すぎる場所では大きなジャンプをしたりして遊んでいる人以外は無理なので、その場で待つしかない。こういう場合が一番危ないといえる。リフトは大抵、周囲に木が無い。下りられないとなれば、できればスキー、スノーボードを何とか外してそれを楯にしてほしい。スノーボードは比較的簡単にできるだろうと思う。
本当にそれで噴石の衝撃に耐えられるのかと疑問に思うかもしれない。現在、アルペンの滑降競技では最高速度が160キロを超えている。30年ほど前は140キロだった。今は珍しくない。転倒での死亡や重症化を避けるため、専用ワンピースの下に脊髄を守るためプラスチックのプロテクターを入れている。小さいスノーボードのようなもので、これでかなり怪我が減っている。100キロ超で転倒して、周囲の安全柵にぶつかることもあるが、脊髄損傷事故は本当に聞かなくなっている(手足が多い)。海外の大男が100キロを優に超えて転倒して激突しても事故が減っていることは如何にこのプロテクターが選手たちを守っているかがわかる。スキー、スノーボードはこのプロテクターよりもさらに頑丈なものである。安心してプロテクター代わりに使ってほしい。
(これは滑降に強かった米選手がアルペンW杯大回転に出場したときのもの。大回転でも80キロは超えるのでこのようなことが起きる。当時はまだ背中にプロテクターは入れていないはず。https://www.youtube.com/watch?v=0hax4ufjqOs)
登山であれば、リュックが緩衝材になるし、コッヘルとかフライパンがあればヘルメット代わりにできる。スキーでもそうだが、身に着けられるものは布製だろうが何だろうが付けるだけ付ける。手袋もサングラスも。それによって熱傷や傷の深さはかなり軽減できる。私の場合、バックカントリーにしろ、ゲレンデスキーにしろ、こういうことに遭遇したことは幸いないが、雪崩を目撃したことはあるし、自分で小さいのを作ってしまったこともある。大雪が続いているので、もし、ということを心掛けてほしい。
ほかの人はどうしているかはわからないが、尾根部を滑っている分にはまず雪崩被害には会わない(むしろ自分が引き金にならないように注意が要る)。大抵滑っているのは開けた谷部になる。雪崩も谷部に向かって発生する。雪崩のスピードは100キロ以上はあたり前なので、レーサーでも無ければまず捕まる。なので、しばらく下向きでスピードを得て追いつかれる前に、そのまま尾根部の林などに切り上がっていくのが一番の回避策。これはスキー場でもそうで、必ずリフトからコースの様子を把握するといい。森林限界を超えているようなところは起きやすいので特に注意する。
これから私大受験で大学は休みに入る。多くのスキーヤー、スノーボーダーが繰り出すことだろう。海外からのお客も昨今多い。是非、コースをよく見て楽しいひと時を過ごしてほしい。
最後に、亡くなられた自衛隊員へのお悔やみを申し上げるとともに負傷された方々の早い治癒を祈念して、本稿を閉じる。