Hey Siri! @電脳の未来 | An Ulterior Weblog

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ひと月半、iPhoneに機種変更(スマホデビュー)して使ってきたわけだが、基本機能への不満を述べてきたし、キャリアのビジネスに大きな問題があるとずっと思ってもきた。

 

しかし、世の流れは残念ながらスマホ。それを餌にキャリアやIT会社は庶民から収奪している。多くの場合、その需要はゲームと芸能動画と何と言ってもカメラでのリアルタイムコミュニケーションだろう。ガラケーのみの間で行われたことはないはずだ。しかし、これらはハードウェアの充実でガラケーを進化させて行うことは可能だ。

今のスマホがガラケーと決定的に違うものは何かと言われたら、人工知能を持ったパートナーだということだろう。地図や音楽など諸々のツールを内部に持ち、それらの利用状況も把握して所有者の癖を見抜き、的確なガイダンスをする。コンピュータの面目躍如。もちろん、ガラケーの実装力を上げればこれだって搭載はできる。しかし、ガラケー本来の目的は別。重心が全く違う。今のスマホを本格的に活用するとなると、自分のパートナーもしくは分身として育てることを意味すると言っていいだろう。

 

iPhoneには Siri という音声認識AIがある。英国英語設定で少し使った。Siriを使うには最初にこっちの声質などの認識のために文章を言わされる。それを複数回行って使えるようになる。
設定すれば、ロックスクリーン状態からも立ち上げることができる。掛け言葉、"Hey Siri"も有効にする。こっちの発音の悪さは前後の単語などから文脈をリアルタイムで推定修正しながら認識することがわかった。依然、違っていれば文字入力で修正できる。CNNやBBCなどで喋っている人の言葉がすぐ画面に出ているのに驚いたことがあるが、使っているのは同じようなソフトではないかと思う。

で、実行。"Hey Siri"とマイクの前でいうと起動する。いろいろ質問してみる。まずは、
 How are you?
というと
 I'm fine. Thanks for asking.
と返ってくる。平均的な砕け具合の返答。そこで

 How do you do?

と馬鹿丁寧な挨拶をしてみると、

 The pleasure is mine.

とフォーマルな返答に変わる。近くのレストランはどこかと訊くと、GPSを切っているので場所が特定できないから、現在地設定をしろと言ってくる。何か音楽を流してくれと言えば、適当に選ばれた音楽が流れ始める。別の曲にしてくれと言えば、すぐにまた曲を選んで流す。ただし、自分のライブラリのアーティストの曲を、と言ってもなぜか上手くいかず、iTuneから全く知らない曲を持って来たりする。このあたりは熟していくと改善するのかどうかはわからない。アップルができるだけ自分たちの利益になるようプログラムしているかもしれない。

微妙な質問もした。たとえば、
 Do you believe in God?
と訊くと
 My policy is the separation of spirit and silicon.
と丁重なお答え。でも、いつもこう答えるわけではない。同じ質問を繰り返すと、今日の夕食の話をしようとはぐらかす。何にしてもパターンは明らかに限られていて、使い熟すことでそれが増えていくのかどうかは不明。
 What is your religion?
と訊いても同様な返事が返ってくる。また、音声が男性のように聞こえたので、男性かと尋ねると、性別については触れない方針と返ってきた。さらに、
 I don't like iPhones.
と言うと
 I see.
という返事だった。なお、小声でトーンを落としたりすると認識できないらしく起動しない。

ハイデガーの哲学の内容で知ってるものはあるか?とか、一般相対論を知ってるか?と訊くと、Wikipediaなどネット上のサイトを紹介して逃げる。(笑) もっと直接的にハイデガーの哲学について議論したいというと、OKと一度は答えるが、次にはそのことについては知らない、で終了。議論の類はさすがにできないようだ。

 

よくできていると言えばできているが、AIとしては想定程度のもので特別驚くことはなかった。目敏い人はこれで英語やほかの言語の会話学習に活用するだろう。Siriには多くの言語が用意されている。十分使えそうなレベルに思える。英会話教師は商売あがったりになるかもしれない。一方、子供やあまり電脳に詳しくない人たちは Siri を客体化して見ることはできにくいだろうと思う。酷い場合は同一化してしまいかねない。今後も注意の要る社会的問題だ。

私にとってiPhoneでの驚きはこういうことができるメーカーの製品が電話としては恐ろしく出来が悪いことだ。

 

90年代後半、Windowsによってパソコンは庶民化した。そこに理系の研究者たちが80年代に開発し使っていたメールとWWWが加わり、商用領域が増え、狭いパソコン通信の世界が消え、世界規模のネットブロードバンド化が今世紀に入って加速する。しかし、パソコンの上にUIと通信を載せたソフトを被せただけで、オブジェクト指向言語で開発などは容易になったとは言え、どのみちハードウェアとしてのパソコンの部分の壁は残った。薄いブック型になっても誰でも手軽に使うという状況にはならなかった。ガラケーを接続して通信もできたがガラケーとは棲み分けされていた。それをガラケーにジョブズが無理矢理押し込んで電話やメールを使う人々に必ずパソコンを経由させたのが現在のスマホだ(ちり取り付き箒みたいな無理矢理さ)。そして、ジョブズがハードウェアとソフトウェアの両方の重要性を製品開発で主張した通り、ハードウェアを意識せずにというのは今もって克服されてなどいない。ソフトウェア含め誰でも容易に使えるようにとするなら技術的には第四世代以降のAIの導入だろう。しかし、それはAIを使ってキャリアが我々を隅々まで情報管理しやすくできることでもある。彼らにすべてを見られる。便利は便利だ。だが、そこまでスマホソフトとその提供者に隷属する気は私はない。グーグルグラスが最終的に受け入れられなかったのも同様のことだ。本人には便利かも知れないが社会的には否だと。

 

事実、アップルは自分たちに都合よくOSを書き換えていた。私のガラケー指向は使いやすさの面が非常に大きいが、将来的にこの流れに乗る危険性への忌避でもある。Siri ももう外している(iTuneストアに私のAppleIDとSiriが選択した曲がすでにデータになっているはず)。

折しもこういう動きが出てきた。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25440350Z00C18A1000000/

スマホに集約したから使用時間が増えてるだけだという正当化をネットで述べている人がいるが、この記事はもうそういう段階ではないことを示している。何せ、ジョブズ自身が自分の子供には遠ざけていた。スマホが基本の社会などという多様性の無さは御免である。高度な技術のものほど寡占化が激しい。利便性は集約つまり寡占の上に成立するからだ。アマゾンはネット通販と流通を握り、出版社と運送会社を手玉にとって好き勝手にやっている。人間の利便性と愉楽の追及がとうとう人間自身に跳ね返ってきたと言えるだろう。結局、目指すのは何から何まで手助けしてくれるツール、つまり有能な人間の代わりが要ると言っているわけである。しかし、AIは人間を遥かに超えるから人間不要にすぐなる。物事の主体は有能なAIが処理し、人はどんどん役立たずになる。AIの急速な発展とともに、今こそが電脳社会の基本構想の構築が必要な時ではないのか。

大体、創造力あふれて仕事がたくさんある人間はスマホやSNSに浸っていられるほど暇ではない。やることがない人間ほどスマホ依存だろう。

 

さて、そろそろスマホに振り回されるのもこの辺で終わりにしたいものだ。元々iPhoneがポンコツでなかったらここまでいろいろ書くことはなかっただろうが、またダメさ加減で苦しめられることがあるのかどうかは何とも。

auのガラケーからガラホに変更した友人と話した。4G回線同士の通話で音質は格段に向上した。彼はガラケーより使いにくいと言った。なら、スマホはもっと許せないだろうと問題点を伝えた。かなり驚いていたし、さらに、スマホで何でそんなに時間を潰せるのか理解できないという。ゲームとか動画、それにSNSにネットサーフィンだと答えた。そんなにスマホ相手になるかなぁと、依然納得のいかない様子ではあった。パチンコに通う人たちと同じだと言うと、多少納得した感じだった。思えば、Windowsでパソコンが身近になったことで、引き籠りなどPC中毒みたいのが社会問題になったことがあるが、今はもっと酷いだろう。

 

どこか、いいストレートガラホを作って下さい。できれば一体化できる別売タブレットも。お願いします。

 

 

辞書としてODE2017を入れようとしたがWi-Fiを要求したので、人気のある他のを入れたが辞書の精度無く広告も邪魔ですぐ削除した。

iPhoneで便利なものとしては、アップルの地図で、ある程度拡大するとそこの気温がわかること。天気アプリで地名を入れてもわかるが、必ずしも小さな地域は入っていない。そんなときはアップルの地図を見る。山、特に冬山に入ろうという人には大変助けになる。グーグルマップアプリでは出なかった。アンドロイド上だと違うかもしれないが。

 

※※

グーグルもユーザーの動向を知る仕組みを見えない形で仕込んでいたことが判明した。グーグル自体がハッカーとなっている。社員がその気になれば、個人口座をいくらでも利用出来る。

https://news.mynavi.jp/article/20180118-572779/


※※※

こういう事案も出て来た。貴族院だからなのか随分若い大臣のようだが、Siriを通じて国防情報が取られることに配慮すべきだろう。無邪気過ぎる。

https://www.gizmodo.jp/2018/07/iphone-confused-syria-for-siri.html