猿に因縁つけた東大卒作家 | An Ulterior Weblog

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まあ、下らないお話。

 

ネット上でちょっと大きな話題になっていたようだ。

https://www.j-cast.com/2017/12/11316270.html?p=all

ミステリは好きだが、最近の作家のは全く読んでないし、法事ばかりでそんな暇もない。なので、名前も知らない。

 

東大や京大にはこういう感じの人物は多い。東大は言うに及ばず、京大も学問で一番の意識がある。ノーベル賞には強い。ほかにも私大のトップ、早稲田や慶応でもときに見かけるが、総じて東大は抜き出ている感じはある。

東工大なんかは理工系分野では東大より上の自負があるように思えるが、それは少し意味合いが違う。彼らは東大という日本で一番のところだから入るという、入ることだけが全ての意識で東工大に入ったわけではなく、言ってみればオタク的な感じで、好きなことを突き詰めるために入ってきている。もちろん、東大には行けないからと落ちこぼれ意識で入っているのもいるだろうが、多くはそうではないようだ。大学院でも私学や地方国立から実力主義で多く受け入れてるし、運営は東大のように予算が楽勝でついてくるなんてことはないのでいかにも在野の現実的で地道な態度の印象を受ける。

概して、産学などのプロジェクトでも、口先がうまいのが東大で、東工大などではあまりそういう印象がない。正論だが目立ちがない。官僚やメディアとの付き合いが多いのは東大なので当然、こういうことになる。実質的に官僚と東大の癒着と言える(ごく最近のスパコンベンチャーによる研究助成金詐欺も同じ土壌)。運営的に東大一人勝ち状態になっているのもそのためで、日本の未来を考えるといいことではない。

 

はたして、これが作家という、ある意味まともな性格ではやっていけない商売だから起きたことなのか(東大法から警察庁の元キャリア官僚らしい。警察大学校主任教授でもあったから、年金余裕で執筆活動に入った模様。大変、いいご身分で)、単に個人がおかしかったというだけなのかはわからないが(東大はアスペルガーがとても多く、そのサポートも手厚いと聞く)、今回の炎上が本人の意図による可能性もある。名を売るため、自分の作品に関して検索し、言いがかりでもよいから炎上ネタを投下。最初はそれかと思った。

私のこの目立たないブログでも記事を他の人が取り上げていたりする。正直、ずれた視点でこんなこと言われてもというのもある。しかし、公開である以上、正しく読まれないことの方が多いと捉えているので、加筆修正ぐらいで、それ以上のことはしていない。

その後の言動を見ると、今回、作家は本気で頭に来たのだろう。そして、炎上は本人の想定を超えたのだと思う。それで、収めようが無くなって、身の危険を感じる状況になったということにして、取りあえずは振り上げた拳を収めたというのが実情ではないかと思う。家族なり、警察庁時代の関係者に諭されたのかもしれない。もし、これが北大のサークルではなくて東大のサークルだったらどうだったのだろうか。もう少し丁寧な形で反論したのだろうか。

 

北大生の側も、このような理不尽な誹謗中傷に対して、それなりに反論してもよかったのではないかと思わないこともないが、こういう人間に関り続けてもいいことはないだろう。逆に、特に「作者と読者との関係性」を重要視したことを理由として取材拒否を明言している態度はとても評価したい。20歳前後でこれは立派と言っていいだろう。当の作家には情けなくもその視点は全くなかった。作家の名に値しない。東大を出ていてもこの程度の精神である。上にはそれこそ凄い人物もいるが、下は下でかなり酷いのもいる。そのいい例だ。

大体、ああいう誹謗中傷じみたことをしたらどうなるか、アカウントの削除など当然のこととして予想される。その程度も推し量れないでよく作家をやってるものだと思うし、自分の子供ぐらいの年齢の相手によくやるなと。さらに東大卒元警察キャリアという悲しいおまけがついている。そこまで東大を自負するのであれば、十分な年金取得(たぶん、たっぷりの恩給付き)ができる年齢になって、自分の人生経験をただ語るだけのような作家という職業に就き、あわよくばTV出演とか講演会収入を得るという、日本の最高学府を出た勢いが微塵もない守り人生を送ろうというせこさを捨ててからだろう。ぬるま湯状態で命を懸けて作品を書いていると言われても、誰にも響かない。今回の件は作家人生の汚点として残り続けて、作家協会側としても今後多少なりとも距離を置かざるを得なくなるだろう。人生の大損だ。

アマゾンでも今回の件で大盛り上がり。村上春樹並みの勢いだ。出版社には一時的によいクリスマスプレゼントになったことだろう。レビューでは北大生の意見が妥当との判断が多いようだ。

 

前にも書いたが、大学入試は訓練でどうにかなる部分が圧倒的である。それをお金を掛けて幼少から行えば、つまり、教育に多大な投資をしたら、達成できる可能性は今はかなりある。東大の親の平均年収が慶応を上回った(どうやってそんな算出ができるのか知りたいところだが)と騒がれて久しいが、そういう状態であり、地の頭の良さだけでは必ずしも結果に結びつかない時代になっている。悲しいかな、お金のある人間に有利になってしまっているのが現世だ。もっとも、この作家が入った頃はここまでではなかったとは思うが。

これまた何度も書いてきたが、学問の力の有無は大学入試では判断できない。実力がはっきりするのは大学院である。文系はまだその状態ではないようだが、入試程度でどこの大学へ行ったかはもう重要ではない。ノーベル賞の梶田さんは埼玉大だったし、大村さんは山梨大で、大学院では東大とか東京理科大など違うところに行っている。この作家からするとノーベル賞受賞者も罵倒対象になるのだろう。

 

 

作家の代表作が『天帝のはしたなき果実』という表題のようだ。はしたなき?この言葉を表題に使う感覚は自分には理解できない(ペンネームだろうが、そっちのセンスも今一つに感じる)。それこそ、はしたない気がする。少なくとも今回の件は「はしたなき過失」ではなかろうか。

ちなみに、商売関係者の間でクレームが多く、厄介な相手として有名な職業は、警察官と教師だそうである。たぶん、法曹関係も同類だろうと思う。法学部出身で警察キャリアで、教官もやっていたから、最強と言えるだろう。

 

※※

この作家は偏差値と旧帝大というブランド名でしか大学を見ていないようだが、大学の伝統への誇りはないように思う。どういうことかというと、北大ならクラーク先生という誰でも知ってる創始者がいる(皆が知ってるで言えば、三浦雄一郎氏が世界的だ)。卒業生は先生の弟子として誇りを持てるだろう。では、東大や京大に世間に誇れる人物はいるだろうか?慶応なら福沢諭吉、早稲田なら大隈重信だが、旧帝大では北大以外たぶんない。湯川秀樹はそこまでの象徴ではない気がする。東工大や一橋、東京医科歯科大や首都大学東京でも同じだろうと思う。公的機関最初の宇宙飛行士の毛利衛氏は北大だし、ノーベル賞も鈴木章氏がいる。阪大や九大より実績はある。むしろ、北大卒でクラーク先生の弟子と言える点で羨ましい話だと思う。ただ大学を出たというだけでなく、精神的支柱があるということが。

難関大学について気になる方は拙稿をご参照願いたい。「幻の第八帝大/難関大出身者の実力」

 

※※※

査読に半年ほどかかったそうだが、京大数理解析研からABC予想解決の報が出た。数学では京大から広中平祐、森重文がフィールズ賞を受けている。年齢的に望月氏は対象外だが、ワイルズ同様にフィールズ特別賞を受賞する可能性は十分。東大は小平邦彦しかいない。本気で数学をやろうという人間はますます京大に行くだろう。できる人間のところに行って刺激を受けて鍛えてもらう。それに優るものなし。東大もカブリ研ができたが、数学に関しては成果は出ないだろう。理由はワイルズやペレルマンのように数学は静かに邪魔されない空間で孤独に詰める時間が必要だからだ。東京は落ち着いてやれるところではない。政治的に動くにはベストだが、この手の学問をやるには向いていない。都会志向が特に強い地域の九大や阪大も実績が弱いのも似たものがある。優秀な頭脳を都会は潰すか腐らす。学問以外に時間を取られ社会的圧力を受けるからだ。海外の学者の中には没頭するために大学の地位を放り出して人生の時間すべてをかけて専念する人がいるくらいだ。

 

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Wikipediaを本人が記載している、経歴が別の名前の著者に似ているなど、いろいろ疑惑が出ているようだ。もし、学歴詐称などであれば、こういう行動を取ったことは納得しやすいが、個人的にはその可能性はやや低いとみている。