これらはほんとに悩ましい。葬儀を行う側にとって最も苦しめられる難題だと思う。
まず、香典返し。
葬儀場での葬儀屋手配の即日返しはここでは除く。葬儀時および四十九日のときに頂く主に親族からの高額香典のお返しについてである。
全く香典返しをしない地域がある一方、半返しが当然という地域もある。通例言われるのは1/3から半分までと言うが、実際を言うと、経済が伸び悩む中、1/3未満でもよしとされる状況のようだ。私は今回は1/3ちょっとを目安とした。親族のこれまでのから見れば多めの方だが、いろいろと不満も受けたのと、お返し先が日本のほぼ端から端に広がっていたので、それに対して、世間範囲は外してないと言えるだけのものにしたかったというのがある。親族にはこれからの葬儀でプレッシャーになった面もあるようだが、こっちも今後のこともあるので香典返しで文句は受けたくなかった。
通常、故人の子息は数万以上の高額の香典を出すのが普通だが、一般と同じで1万とかで半返しを要求する非常識の人もいるらしく、そういう人々が相手だと気苦労が絶えないだろう。
挨拶状も定型のものではなく、独自に書いて特製の封筒に入れて一緒に梱包した。諸事情から定型では済まないだろうと思ったからである。
困るのは上記の異なる地域の出身者が反対側の地域に嫁いだり、養子になったりしたときで、両家の風習の板挟みになって苦しむ人が多い。これに対していい解決方法はないだろうが、残っている親族の実権者は誰で、そちらの了承を得ておけば、その人と相談して決めたので、と答えれば誰も文句は言わないだろう。こういうのは世間常識とか何とか言っても誰も納得しない。その一言が影響力を持つ人を利用させてもらうしかない。それができないような状況では、もう自分を世間常識と思って断行するしかないだろう。
次にお布施。
これも悩ましい限りである。葬式とかでは葬儀屋のベテランから訊くのが一番と思う。父が故郷に移り住んできた関係で墓が無く、加減が全くわからなかった。そのため葬儀屋の助言は非常に助かったが、そこで示された失礼にならない金額として15万を出した。多めにしなかったのには、全く縁も所縁も無い住職がどれだけしっかりしたお務めをしてくれるかわからなかったからである。小さなときから町のお坊さんの評判がよくないことを知っていたこともそうした理由だ。
前にも触れたとおり、葬儀屋(というよりは町の通例)で手配された住職は非礼極まりないものだった。それは枕教の段階からすでに起きていた。葬儀でも手抜きをされたので、私はこの住職に四十九日以降は頼む気は全く無くなった。そして、お布施にさらに上乗せをするのを止めることにした。
四十九日では新たに探した別のお寺さんのご住職をお迎えして行ったことはすでに書いたが、そこでも一般常識の範囲でほぼ上限の金額を出している。お布施、御車料、御膳料3つを5、1,1の計7万を出している。これは小さな町で他人の檀家同然の仏事を奪ったことによるリスクへの見返りとして出すべきものと判断したからである。相手は一度は断ったものをあまりの状況の悪さに危険を冒して受けて頂いている。替えたのもこちらの判断なので、応えないのは倫理に反する。枕教のときからこの御住職にお願いしたかったと残念至極である。
このご時世、この小さな町で高給取りも少ない中、ここまでの金額を出してくれる檀家さんはそういないと思われる。それぐらいのことはしたつもりである。リスクがなければ全部で4万ぐらいで済ましていただろう。
具体的な数値を出すのはどうかとも思ったが、この手の話は本当に目の前に控えている場合、困ってしまうので、あえて出すことにした。