近鉄特急「ミッドナイトひのとり」に乗車しました! | 乗りつぶしに行ってきた!

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JR全線完乗が目標!(現在は99%乗車済)

2021年12月31日(金)

23時30分 大阪難波駅

 

 

例年、大晦日から元旦にかけて鉄道会社各社では終夜運転を行い、初詣需要に応えてきたわけですが、

新型コロナウイルスが蔓延しだした2020~21年は密を避けるように政府からお達しが出ていたため、全社終夜運転は取りやめていました。

そして、2021~22年にかけても各社変わらずに終夜運転を取りやめ、終電の発車時刻を繰り下げる対応を取っている中、

近鉄のみが一部路線は除くものの終夜運転を実施すると発表がありました。

近鉄名古屋京都大阪難波と大都市に路線があり、沿線には誰もが知っている伊勢神宮をはじめ

多くの寺社があることが大きいと思われます。

詳細情報を見てみると、名古屋大阪難波から伊勢神宮の最寄りの伊勢市を通る宇治山田行きの特急ひのとりが設定され、

ひのとりの運行開始は2020年3月なので終夜運転では初登場というのが最大の目玉だったようです。

 

是非とも史上初の終夜運転対応のひのとりに乗車しようと年越し間近の大阪難波に到着しました。

大阪難波発のひのとりだと0時、1時、2時発の3本が設定されていて、

 

 

特急券は0時発のレギュラーシートを確保済みで、改札を抜けて2番のりばに降り立つと、

まだ発車30分くらい前なのにえらく人が列を作っているのを目にしました。

列を作っていたのは0時発ひのとりのすぐ2分後に出発する臨時快速急行の奈良行きに並んでいた列で、

車両は20000系のという団体専用列車が充てられていて、普段は団体ツアー料金を払うなどしないと乗車できませんが、

無料で乗れるということで多くの客が殺到したようです。

発車20分くらい前からは乗車定員が決められていることから列車に乗れない場合もあるというアナウンスが繰り返し流されていました。

 

そんな様子を尻目に23時53分ごろに6両編成のひのとりが2番のりばに6両編成で入線してきました。

 

 

大阪難波は2面3線とホーム数が少ない中で非常に多くの列車を裁かなければならず、さらに特急の始発・終着駅でもあるため、

西側にある阪神なんば線桜川に向かう途中に引き上げ線が1本、さらに桜川の次のドーム前へ向かう途中にもう2本設定され、

昔30分くらいホームで見学していたときには特急が到着するとすぐに回送列車として引き上げ線に向かうなど、

せわしなく列車が行き来していました。

それでも同じホームの発車時刻間隔がわずかな場合はホームが非常に長く作られていることを生かして縦列停車という手法を使うようになっています。

今回は同一ホームに0時と0時2分と2本立て続けに発車することから、

 

 

ひのとりの後ろにが停まるという珍しい光景を23時54分ごろに目にすることができました。

 
 
ちなみに縦列停車する旨は事前に発表されていました。

 

 
発車時刻が迫っていたので急いで乗車。
 
 
ひのとりというと現在は名阪間しか走っていないので、宇治山田という表記を目にできるのはかなり貴重でした。
 
 

大阪難波0時→宇治山田1時54分

ひのとり5403列車

 

正確には乗降ドアが閉まったころだと思いますが、発車と同時に年越しとなり、

初めて年越しの瞬間を列車の中で迎えることができました。

乗車時には車両さんがこんな缶バッチを渡してくれて、

途中駅からの乗客には渡されなかったので、始発駅から乗った者にのみ与えられるサービスでした。(おそらく)

 

 

近鉄特急には俗に停車駅の数の多さで甲特急(停車数少なめ)、乙特急(停車数多め)と分けられていて、通常走っているひのとりは甲特急の部類に入ります。

ただ、今回乗車した5403列車の停車駅は大阪上本町鶴橋大和高田大和八木榛原名張伊賀神戸榊原温泉口伊勢中川松阪伊勢市ということで、乙特急にあたる停車駅数でした。

 

列車は鶴橋を出発して布施を通過すると、奈良線と分かれて大阪線を南東方向に向かって進んで行きます。

次の停車駅は奈良県の大和高田なわけですが、河内山本を通過する手前で減速をし徐行運転を始めました。

おそらく通常の営業列車が先行していたためか近隣住民への騒音配慮なのかと思いますが、

いつもだと速度を落とすことなく走り抜けてしまうので、臨時列車に乗っていることを感じさせてくれる瞬間でした。

大阪府と奈良県の県境にある田尻峠はスムーズに通過して、大和高田に到着する直前に再び徐行運転となり、

しばらくして通常の速度に戻ったところで到着。

 

大和高田を出発して大和八木から先は山間部区間を走っていきます。

すでに時刻は0時30分ごろで走行中のひのとりはあまり車体が揺れないわけですが、それでも微妙な揺れを受け続けていたため、

大和高田出発以降の記憶がなく、目が醒めるとそこは伊勢中川を出発したころで、気を失っていた間に6駅も停車していたようです。

列車は大阪線から山田線に入ったところで、松阪に停車。

 
 

松阪まで来ると、伊勢神宮は目と鼻の先の距離にあり、10分ほどで伊勢市に到着。

ここでかなりの乗客が下車しました。

伊勢市は伊勢神宮の外宮の最寄り駅ということで、JR参宮線も乗り入れている伊勢神宮の玄関口にあたる駅になります。

伊勢市を出発すると3分で終点の宇治山田に到着。

 
 

1月1日の1時54分ということで、こんな時間にホームに降り立つと夜行列車に乗っているような感覚でした。

一旦改札を出て、発車表示板を見てみると、

一駅先の五十鈴川行きに乗り換えが可能で、

 
 

五十鈴川は伊勢神宮の内宮の最寄り駅であることから、設定されているものと思います。

ただ、五十鈴川は徒歩で向かう場合の最寄り駅だそうで、伊勢市宇治山田から外宮経由で内宮まで繋がるバスが数多く運行されているので、臨時特急も宇治山田までの運行となっています。

実際に駅舎を出てみると、数分間隔で路線バスがやってくるのを目にすることができました。

 
 

外に出てみると風はそんなに吹いていないものの、冷たいそよ風を受ける時間が長く、身体を動かし続けないと寒さでやられる状態でした。

ということで初詣はせずに(というかもともとしない)すぐに温かい駅舎内に避難しました。

駅舎内では当たり前のように駅員さんが窓口で特急券発売や改札業務にあたっていて、本当に頭が下がる思いで見ていました。

そうこうしているうちに大阪難波に戻る時間となり、帰りもひのとりに乗車します。

 

 

下りは宇治山田が終点だったのですが、上りは一駅先の五十鈴川が始発ということで、

大阪難波発着の他に近鉄名古屋京都発着の特急に普通列車もあるので、ホームの運用上でズレが生じたものと思います。

 

宇治山田2時38分→大阪難波4時27分

ひのとり3204列車

 

 

6両編成のうち1号車に乗車しました。

 

 

1号車ということは…分かる人には分かると思いますが、プレミアムシートに着席して戻ることになりました。

デッキから階段を登ってプレミアム車内に入ると五十鈴川から乗車した人が多く着席していて撮影はしにくかったので、撮影は控えることにして、

帰りは寝ないようにデッキのコーヒーサーバーで淹れたホットコーヒーを飲みながら過ごすことにします。

停車駅は伊勢市松阪伊勢中川榊原温泉口伊賀神戸名張榛原桜井大和八木大和高田鶴橋大阪上本町でした。

 

伊勢中川を出発してすぐに行きでは寝落ちして見れなかったデルタ線を通過。

 
 
名阪特急のひのとりだと短絡線を通るため、普段は通ることのない線路を走っているのを分岐の揺れで感じることができました。(外は真っ暗で何も見えないため…)
 
同じく寝落ちした榊原温泉口は駅周辺は真っ暗で乗り降りする人はいない模様でした。
 
 
布引山地を貫く新青山トンネルを抜けて伊賀神戸に到着。
 
 

伊賀鉄道のホームが隣接されているわけですが、到着時刻が3時15分だったので電気はついておらず寝静まったままでした。

名張榛原と停まっていき、行きでは停車駅になかった桜井に到着。

 
 

JR桜井線への乗り換えが可能で、到着したのが3時50分でしたが、JR西日本では終夜運転は行わず終電の繰り下げをするに留まったので、

もしも桜井線への乗り換えをする場合には朝6時前の始発まで待つことになったことでしょう。

1号車からは桜井で下車した人がいましたが、おそらく桜井に停車するひのとりはかなりレアなので、

特急券に桜井ひのとりが列記されたきっぷを発券したものと思われます。

 

大和八木を過ぎれば、市街地の中を通って行きます。

まだ夜が明けない時間なので、街は静まったままなのが新鮮でこれもまた夜行列車に乗っているような気分でした。

大阪上本町を出発すると、終点の大阪難波に到着することを伝えるために車内の照明がブルーに変化して、無事に到着。

 
 
折り返しの発車表を見ると、4時51分発の東花園行きなどほぼ始発の時間帯となっていました。
 
 

大阪難波宇治山田間を0時から4時27分までひのとりで往復したわけですが、

ひのとりはレギュラーシートも含め全席バックシェル構造ですから、シートを完全に倒し、特に帰りのプレミアムシートはまるで寝台特急に乗っているような状態で移動することができました。

 

寝台特急は現在はサンライズ出雲・瀬戸が残るのみで、なかなか乗るチャンスがないわけですが、かつて走っていたムーンライトながらに乗っているような感じでした。

ということで題名にもある通り、以上でミッドナイトひのとり(※)乗車記を締めたいと思います。

ミッドナイトひのとりは勝手に弊ブロガーが名付けたものです。