憲法 | 司法試験 起死回生への道  

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憲法第一問

一 A市が市職員の採用にあたり日本国籍を有することを要件とする条例を
 定めていることは、外国人の公務就任権を不当に制約するものであり違憲
 ではないか。
 
二1 まず、そもそも外国人が人権享有主体性たりうるのかが問題となるが、
  人権の前国家的性格および憲法が国際協調主義(98条2項)を採用し
  ていることから、権利の性質上日本国民のみを対象とするものを除いて
  外国人にも保障されると考える。
 
 2(一) では、公務就任権は権利の性質上外国人にも保障されるか。
      思うに、公務であっても民間業務と同じく生活の糧を得る手段
     としても役割もあることから、権利の性質上外国人にも保障され
     る
  (二) これに対し、市議会議員の選挙権は権利の性質上外国人には保
     障されないと考える。なぜなら、選挙権は政治に参加する権利で
     あるから国民主権原理(全文、1条)のもと国民にのみ保障され
     るべき権利であるし、地方自治体たる市も国と不可分に一体であ
     るからである。

三1 では、日本国民と同じく外国人にも公務就任権が保障されるのに、外
  国人については条例で採用を否定することは不当な差別にあたるとして、
  法の下の平等(14条)に反しないか。

 2 まず、差別的取り扱いを定めた法をいかに平等に適用したとしても無
  意味であるから、法の下の平等の「法」とは執行機関だけでなく立法者
  をも拘束すると考える。また、「平等」とは14条が個人の尊厳につい
  て規定した13条を受けて規定されていることから、絶対的平等ではな
  く具体的差異を考慮した合理的区別を許容する相対的平等を意味すると
  考える。
   では、本問条例は不合理な差別として14条に反し違憲か。
   思うに、日本国籍を有するか否かは14条列挙事由ではない以上、厳
  格性がやや緩和された基準によるべきと考える。具体的には目的が正当
  であり、かつ手段が目的達成との関係で実質的関連性を有していればよ
  いと考える。

 3 これを本問条例についてみると、まず目的については、市職員であっ
  ても市議会や市長が決定した施策を忠実に遂行することが求められるこ
  とから、日本国と永続的関係を有するわけではない外国人が公務に就く
  ことを認めれば公務が忠実に遂行されなくなるおそれがあり、日本国籍
  を有することを要件とすることには正当性が認められることを否定でき
  ない。
   次に目的との関係で手段が実質的関連性を有しているかについてみる
  と、市職員の公務といっても租税の徴収手続のような権力的公務そのも
  のから、ゴミの収集や給食の調理といった民間業務と大差ない非権力的  
  公務まで千差万別であり、後者については国籍を有するか否かで公務が
  忠実に遂行されなくなるおそれがあるということは疑問である。
   とすれば、市職員が行う全ての公務について日本国籍を有することを
  要件とすることは目的達成との関係で実質的関連性を欠くものであり、
  不合理な差別として14条に反し違憲である。
   これに対し、市議会議員の選挙権については、もともと外国人には権
  利の性質上保障されていないのだから14条に反するか否かという問題
  は生じない。


憲法第2問
 
一 本問法律は、内閣が条約を締結するにあたり最高裁が違憲との見解を示せば、
 内閣は当該法律を締結できないとするものである。そこで、当該法律は内閣の
 条約締結権(73条3号)を侵害し、違憲ではないか。
 
二1 そもそも内閣に条約締結権を専属せしめた趣旨は、もともと条約締結権が
  行政権を有する国王の専権であったこと、また条約の締結にあたっては特殊
  専門的な知識と相手国との微妙な駆け引きを要することから、行政権の長た
  る内閣が適任であることに基づく。ただ、条約は国民・国家に重大な影響を
  及ぼす可能性を有することから、国民代表機関たる国会の事前もしくは事後
  の承認を要するとして、民主的コントロールに服させている。

 2 では、条約の締結にあたり、さらに最高裁判所に締結を予定する条約が違
  憲であるか否かについての見解を求める旨の法律は、73条3号に反しない
  か。
   たしかに、違憲の疑いのある条約が一旦締結されてしまえば、後にこれを
  改定することは相手国の同意が必要なため著しく困難であることが予想され
  る。そこで、あらかじめ最高裁判所に違憲の疑いがあるかどうかについて審
  査させることが国民の人権保障につながるとも思える。また、合憲性につい
  て見解を求めるか否かについては内閣の判断に委ねられているのだから、内
  閣の条約締結権を侵害するとまではいえず、国会の立法裁量の範囲内にある
  とも思える。
   しかし、法の支配の下、立法裁量もまた憲法に拘束される。また、最高裁
  判所は法の番人として違憲審査権(81条)を行使することができるとして
  も、何らの事件性の要件もないのに法令の合憲性を判断できるとすれば、司
  法の政治化を招来し、逆に司法への不信を招くおそれもある。
   とすれば、条約の締結段階においては国会によるコントロールだけを及ぼ
  すのが憲法の態度であり、それ以外のコントロールは否定する趣旨であると
  考える。

三  以上より、本問法律は内閣の条約締結権を実質的に侵害するものであって
  73条3号に反し違憲である。