民訴 | 司法試験 起死回生への道  

司法試験 起死回生への道  

屈辱の論文総合A落ちからどこまではい上がれるかを自己観察し続けるブログです



※ リンクは基本的にオッケイ。但し、アフェリエイトあるいは

それが主たる目的と推知されるような方の読者登録はお断りしま

す。他人の金儲けに協力する気はさらさらないんで。  

民事訴訟法第一問
控訴審における攻撃防御方法の提出については、裁判長が当事者
 の意見を聞いた上でその提出時期を定めるとするとし(301条1
 項)、これに遅れた当事者は、裁判所に対して期間内に提出できなか
 なかった理由を説明すべきとされる(同条2項)。では、なぜ控訴審
 においては攻撃防御方法の提出時期について制約が設けられている
 のであろうか。

二 1 そもそも民事訴訟における訴訟の審理においては、口頭弁論
   の一体性から攻撃防御方法はいつ提出しても同じように扱われ
   るのであり、旧法下においては自由で活気ある審理を期待して
随時提出主義を採用していた。ところが、実際には攻撃防御方
法をいつ提出してもいいことを利用して訴訟の駆け引きに悪用
されたりするなど、かえって訴訟が遅延し当事者の訴訟に対す
る協力を低下させている等の問題があった。そこで、現行法下
においては、随時提出主義を改め、攻撃防御方法は訴訟の進行
状況に応じて適切な時期に提出しなければならないという適時
提出主義を採用した(156条)
2 そして、控訴審は第一審とは続審の関係にあるから、前述の
  口頭弁論の一体性により、攻撃防御方法は適切な時期に提出す
ればよいはずであり、時機に遅れた攻撃防御方法のみこれを却
下よいはずである(297条・157条1項)。しかし、いか
   に適時提出主義を採用し立てしても、当事者の怠慢による審理
   訴訟の遅延は免れない。さらに、控訴審にあたる裁判所は高等
   裁判所であるのが通常であるから、第一審を担当する地方裁判
   所よりもその数は少なく、弊害は著しいものとなる。 
3 そこで審理の迅速化を図るべく301条1項が設けられた。
ただ、これに違反した場合に攻撃防御方法の提出を認めないと
いう強力な効果を認めれば、失権効をおそれる当事者によって
ありとあらゆる仮定的な抗弁が控訴審に提出されてしまい、審
理の迅速化を図るという同条の趣旨をかえって阻害することに
なる。そこで、301条1項は当事者に説明義務を課すという
間接的な制裁規定を置くことにより審理の迅速化と当事者の負
担のバランスを図ったものといえる。
 
三 以上より、口頭弁論一体の原則から、第一審と続審の関係にある
 控訴審においても適時提出主義(156条)が原則であるところ、
 控訴審の負担を緩和するために301条1項で提出時期について一
 定の制限を設けたものといえる。
以上
再現率95% 


民事訴訟法 第二問

一 小問一について
 1 甲の所有権に基づくA土地の明け渡しを求める訴えが認容
  された後、後訴において審理判断の対象となる事項とは何か。
ます、その前提として前訴の既判力が何に生じるかについて
論じる。
2 ここに、既判力とは確定判決に与えられる前訴判決の後訴
に対する通用力をいう。この既判力は、原則として判決主文
にのみ生じる(114条1項)。なぜなら、当事者はここに
攻撃防御を集中するのであるから裁判所もここにのみ判断す
れば足りるし、理由中の判断にまで及ぶとすればかえって審
理が長引き当事者・裁判所に過剰な負担を強いるからである。
そして、既判力に拘束されるのは争った当事者に限られるの
が原則である。なぜなら、争ってもいない当事者にまで既判
力を及ぼすとすればその者の手続保障を欠くことになり不当
だからである。
そして、既判力により確定された権利関係は常に変動する
可能性を有する。そして、当事者は前訴の口頭弁論集結時ま
で自由に攻撃防御方法を提出できる。そこで、後訴において
審理判断の対象とされるのは、既判力と矛盾しない事項、す
なわち口頭弁論終結時までの権利関係を前提に、それ以降に
生じた事由に限られると考える。
2 これを本小問についてみると、前訴において甲の所有権に
  基づくA土地の明け渡し請求を認容する判決が確定している
  ことから、前訴の口頭弁論終結時において甲が乙に対しA土
  地の明け渡し請求権を有することについて既判力が生じる。
  よって、甲が乙に対して所有権に基づくA土地の明け渡しを
  求める後訴においては、前訴の既判力と矛盾しない事項であ
  るところの、訴え提起時において甲が乙に対しA土地の明け
  渡し請求権を有しているかが審理判断の対象となる。

二 小問2について
 本小問においても、前訴において甲の所有権に基づくA土
  地の明け渡し請求を認容する判決が確定しており、小問1と
  同じく前訴の口頭弁論基準時において甲の乙に対するA土地
  の明け渡し請求権が存在したことについて既判力が生じる。
  そこで、本小問の後訴において審理判断の対象となるのは、
  これと矛盾しない事項であるところの、基準時以降に乙が甲
  に対してA土地の明け渡し請求権を取得したかどうかである。
三 小問3について
1 本小問においては、前訴において甲の所有権に基づく明
 け渡し請求が棄却されており、前訴の口頭弁論終結時にお
 いて甲の乙に対するA土地の明け渡し請求権が存在しない
 ことについて既判力が生じる。もっとも、後訴において甲
 が相手取っているのは乙ではなく丙であり、判決の相対効
 からは争わなかった丙との関係では既判力は及ばないとも
 思える。
2 しかし、丙は前訴の確定判決後に当事者乙からA土地の
   占有を譲り受けており、口頭弁論終結後の承継人(115
   条1項3号)にあたるから、例外的に既判力が及ぶ。その
   趣旨は、承継人に対しても既判力を及ぼすことにより紛争
   解決の実効性を図ることと、承継人には当事者による代替
   的な手続保障があるからである。
よって、前訴における確定判決の既判力は承継人たる丙
にも及ぶので、本小問の後訴において審理判断の対象とな
るのは前訴の口頭弁論終結時以降に甲が丙に対してA土地
の明け渡し請求権を取得したかどうかである。

以上
再現率85%