変化② | faketownlife

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この世界を嘘にするも真にするも自分次第。矛盾と言う名の海に溺れそうになりながら、「それでもなお」明日を目指すのです。

通常ではない時間軸にいたからこそ、彼女と多くの時間を過ごすことができた。

でも、転職することでそれがどうなるかわからない。

もしかしたら、もう会えなくなってしまうかもしれない。

人間はこういう時はいいことは考えられないもの。

あと単純に、大好きな彼女を前にして、しばらく無職になってしまうのも決まりが悪かった。そんなことは気にしない人とは分かってはいたけど。

今の会社にとどまり続けて店の責任者になり、仕事をコントロールできるようになれば・・・責任者という立場も得れる。給料も上がる。彼女にもこれまで通り会いに行ける。現状維持を当然考えた。しかし、それは社長の奴隷になることで得られるもの。到底承服できない。

新しいところに行っても、結局同じなのだろうか・・・ならばいっそのこと別業界を・・・いや、それも簡単ではない・・・その前に、募集があるのか、いつまでに決められるのか、就活準備、めんどくさい等々。

仕事が決まったとして、そこが転勤ありだったとして、そしたら本当に彼女に会えなくなってしまう。仮に、県内、都内だったとして、彼女もまた特殊な時間軸に生きる人だから、こっちが正常な時間軸に戻ってしまったら、その時間軸は交差することがなくなってしまう。

煩悶の日々。

自分を保つのが大変だった。

けど、意外と冷静で、心の根底では答えは決まっていた。

「変化を恐れてはいけない」と。

何があるとかないとかじゃなくて、自分が自分らしくいられなければ、あらゆることにたいして誠実でいられない。

だから決断した。


「変わろう」と。


たとえ、自身が選択した歩みの先にその人がいなくても。

その人が望むのは、いつだって楽しい俺という人間のはずだから。

幼いひなが餌を求めるように、その人は笑いを欲していた。

俺の提供する笑いを腹抱えて受け止めてくれる彼女のことが、心から愛おしかった。

その愛おしい彼女のために。

俺が俺でいられる道を選択しようと思った。