変化 | faketownlife

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この世界を嘘にするも真にするも自分次第。矛盾と言う名の海に溺れそうになりながら、「それでもなお」明日を目指すのです。

現状維持に甘んじる大人にとって「変化」とは怖いものであり、恐ろしいものである。

しかし、それが結果悪い状況を招いてしまうことも多々ある。

気づいたときには手遅れなんてことも。

実は現状維持は現状維持にあらず。=退行なのだ。



今年に入って俺はずっと悩んでいた。

「このままではいられない」と。

状況の改善を社長に申し入れたが、案の定、スルースルーの連続。

それで怒鳴り合いの喧嘩もした。

机や壁を殴りながら迫ったこともある。

語尾もかなり強めた。

相手は死線を潜り抜けてきた百戦錬磨の経営者。

若いぼうずのいうことなど、ただ伝えたところで心に届くはずもない。

だから、感情の扉を開くために、あえてというか、わざと、演技的に暴挙にでたのだ。

効果はあった。

それまで好々爺が子供のいうことを「はいはい」と聞くようなそぶりから打って変ったように、「なんでお前にそんな言われ方されなきゃならないんだ!」と、こちらに殴り掛かってきそうになったのだ。

瞬間、俺は眼鏡をはずして覚悟を決めた。

「殴るならどうぞ」

けど、それは起こらなかった。

そりゃあそうだ。

殴れば暴行罪。れっきとした犯罪。逮捕、拘留されるのは必至。そしたら、店の運営などままならなくなる。社会的損害も免れない。

冷静に考える頭はあったようだ。

それから数ヶ月は思うままの日々を過ごした。人を奴隷のようにこき使う会社にあって、長続きする人材などそういない。だから、先述のようなことをした俺でも、すぐにはあれこれできない事情があるのだ。

しかし、さすがにその時はきた。新店の責任者をやらないかと。魅力的な話ではある。ひどい人ではあるが、金銭的なことはすべてお膳立てしてくれるからだ。しかし、さすがにそうなればこれまでのような勝手な行動はとれない。やる以上は、社長の指針の下に働くのが筋だからだ。それはつまり、社長の奴隷になることを意味した。それは、飼いならされた犬のような状態の他店の責任者をみれば一目瞭然だった。およそ、人としての生活をしていない。大きな結果を求めれば、仕事とはもともと際限のないものだが、理不尽にもほどがあった。

その時、俺には会社を辞めるという選択肢が当然のようにあった。しかし、事はそう簡単にはいかない。新しい職場を求めるのは簡単だが、もう若くない上にまた一からの出直し。リスタートには物凄いエネルギーと覚悟がいる。それにもう一つ、怖いことがあった。それは、彼女との日々に大きな変化が訪れてしまうのではないか、ということ。決断は、簡単ではなかった。