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最近は、レセプションというらしい。
レセプションと聞くと、宴を連想するので止めて欲しい。
相手のサーブを受け止め、ボールの威力を殺す。
そして、寸分の狂いもないほどの精度でセッターにボールを返さなければならない。
サーブカットが崩れると、セッターのトスの精度が落ちる。
クイックなどのコンビネーションが使えなくなる。
そして、アタッカーが満足にスパイクを打てない。
つまり、サーブカットは一連の過程を作り出す始原のプレーであり、
全てのプレーの要である。
サーブカットでは、技術力よりも精神力が大切になってくる。
プレッシャーに負けず、冷静にサーブの回転や方向を見定めなければならない。
出来るだけ視線を低く保ったまま相手のサーブをひたすら待つときの緊張感は、もはや味わいたくない。
厄介なのは、自分のサーブカットに対する感覚である。
この感覚がふとしたはずみで狂うと、セッターにボールが全く返らなくなる。
一度あがらなくなると、試合中に感覚を取り戻すことは困難である。
そして、焦りと不安から他のプレーにも影響が出てしまう。
筋トレをすると、この感覚が変化するので微調整に苦労する。
その時の精神状態にも大きく左右される。
精神的重圧を抱えている状態では、通常の状態よりも感覚が大きく異なる。
それは、プロといえども同様である。
五輪最終予選でも、そんな選手が数人いた。
いかにサーブカットに対する感覚を維持したまま試合に臨めるかが、私が最も骨を折ったところでもあった。