桔梗 | ミナミのブログ

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■ 2003/05/28 (Wed)横濱俳句倶楽部の文章から


桔梗、萱、女郎花、という言葉遊びがある。

そして

秋野爾咲有花乎指折可伎數者七種花
芽之花乎花葛花瞿麥之花姫部志又藤袴朝貌之花

(秋の野に出でて咲く花を指折り数えてみれば

萩の花 尾花 葛花 なでしこの花 をみなへし 藤袴に朝顔

これぞ秋の七草という、という意味)


これは万葉集に山上憶良が詠んだ『秋野花二首』

この中の朝貌が桔梗の花といわれている。

桔梗とはもともとキチコウというものが転じたものなのだそうだ。

俳句の世界では、秋の七草ということで、ずばり、秋の季語になっている。

立秋の過ぎた頃、白地に桔梗の浴衣を来た女性を見ると

ああ、もう夏も終わりだなあという気にさせられる。

梅雨の頃、切花にする桔梗は、五月雨桔梗といい

夏の季語になるそうだが

残念ながら、私の持っている季語集のどれにも載っていない。

そしてまた、別名に、むらさきばな、そして、岡ととき、というのがあると、

書かれていたが、この岡ととき、も、

私の持っている本では見つけることが出来なかった。

学名である、Platycodon とは、広い鐘、という意味なのだそうだ。

明の時代に、現代の湖南省で生まれた李時珍という薬物学者の著した

神農本草経によると、桔梗という漢字は、この草は根が堅くて

(結実)硬直(梗直)だから名付けた、となっているそうだ。

日本では、平安時代に、阿利乃比布岐(蟻の火吹き)

といわれていたという史実があるそうだ。

蟻の蟻酸によって、桔梗の色素が赤く変化する様子を、

火吹き、と、見立てたとのことだそうだが、まるで御伽噺のように思える。

冒頭の、桔梗 萱 女郎花は、聞こうかな押しなべて、を、

花の名にかけて言い表した洒落言葉だ。

桔梗の蕾は、英名をballoon flowerというように

そっと耳を済ませれば、花開くときの音が聞こえそうである。

まさに、桔梗、萱、女郎花、(聞こうかなおしなべて)である。

余談だが、お隣の国、韓国の歌、トラジ、とは桔梗の花のことで、

桔梗、桔梗、桔梗 深い山奥の白い桔梗。
ひとつふたつ根を掘るだけで 私の籠からこぼれる。

と、歌われているそうだ。

 

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私の夫は竜胆が好きで、夫の兄は桔梗が好きで

双方ともに風流な男性だと思う

 

息子はかつてランタナの花が好きだと言っていたが今は分からない

ランタナの花を好む男性が風流かというとそれも分からないが

 

竜胆を好む夫は、私の誕生日には花を買ってきた

 

娘が生まれた時には息子に一輪の真っ赤な薔薇を持たせて産院に会いに来た

 

夫の兄は嫂が亡くなった年に、畑の隅に真っ白な桔梗を咲かせていた

 

私の夫は私の為に真っ白な竜胆を飾ることはなさそうだが

思い出の中の花たちはどれも美しい