■ 2002/05/26 (Sun)YAHOOブログから |
昔の青年は熱かったのか、よく喧嘩をしていた。
集団で一人、ではなく、集団対集団。
いずれにしても大きい声で自慢することではないが。
ある日、知人が、武勇伝の中で
喧嘩を売った漁師が鳶口と丸太を持って小田原から走って来た
という話をした。
私は漠然と、横浜まで丸太を持って走って来るなんて
小田原の漁師さんとはなんと健脚なのだろうと思った。
それで、どうしてそんな遠くから走って?と質問した。
今のような車社会になるほんの少し前のことだ。
それでも産業道路と称する山下橋のある通りは常にトラックで溢れていた。
一晩中ボウリングをしていたと聞けば
一晩中掘削工事をするとは、なんという働き者
と驚く品行方正な娘の知識の限界を知ってか知らずか、彼は苛立ちながら
トラックに乗ってきたんだ。と
大人になって小田原に行く路で
ふと、漁師さんたちは烏の火消しみたいに真剣な顔で
鳶口持って、この道をトラックに乗って
横浜を目指したのか、と思ったら、思わず笑いがこみ上げた。
次のときは、彼らは何時間で御殿場まで行って帰ってこられるかを競っていた。
箱根を越えて、御殿場に行って帰ってくることのどこが面白いのだろう
と思ったけれど、声に出さなくて良かった。
その数日前に東名高速道路が開通していたのだ。
1969年、記念切手が十五円だった時代のこと。
あの若者たちは、今はどんなおじさんになっているんだろう。
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この中の一人はこの数年後に多くの人の恨みにより電話ボックスで
亡くなった
とんぼというドラマを観た時、この人のことを参考にしたのではと
そんなふうに思った
その親子は
子どもを大切に思うあまり、子どものことを叱れず
お金を愛情に換えた父親と
素直に父親として従えず、それでも離れることが出来ず
父親が困る全ての悪事を働き
最後には山手警察署の霊安室で面会するような人生を送り
父親を号泣させたその人
当時の彼を知る人は誰も彼の死を悲しまない
貧しさだけが子どもの人生を不幸にするのでもなく
愛情があるからと言って幸せにする訳でもない
明日は子どもの日
最近絶滅危惧種と言われている鯉のぼりが空を泳ぐ姿を見ながら
親子は一世という言葉を思い出した
親と子は一世の縁
子はほんの小さな時の可愛さを持って人生全ての恩返しをする
一代の縁だから多くのことを学ばせる
あの人にとって不肖の息子はずっと幼い子どものままだったのだろう