デミョウコサンカラモソ | ミナミのブログ

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のんびり、、まったり

(2008年4月のブログの中から)

父の郷里鹿児島にはデミョウコサンカラモソ、という言葉があり、

大名竹、布袋竹、淡竹、孟宗竹の順に美味しい筍の名前だとか

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以前、本牧の通りに台湾の方が営む店があり

台湾から筍が届いたという連絡を頂くと食べに行っていた

 

母が亡くなったのも丁度その頃で、辛気臭い葬儀場ではなく

素敵なレストランでお別れ会をして欲しいという母の願いを叶えて

マンションの近くのレスランに招いた次の日、夫の兄妹たちと

皆で食事をしたことが有って

そこで出された筍にとても喜んでいたのだが

鶏の足先、所謂モミジの煮物が出たころ箸が重たくなって

蜆の醤油漬けや臭豆腐あたりになると

義兄は完全に箸を止めてお世辞笑いを浮かべていた

 

正直な話、いつもの時には筍以外は

精々日本でモミジと呼ぶ部分を煮たものくらいで

あとはご飯ものか麵ものしか食べたことは無かったので

こんな機会だからと、ある意味冒険のつもりで頼んだ品

 

それを見抜いたように義兄から

〇〇〇ちゃん、本当は食べたことないんでしょと笑われた

 

その場所で談笑した夫の兄妹は皆両親のもとに去ってしまい

店もまた随分前に閉店しているが

本牧通りをバスで通るたびに母を送る会の日の和やかな時間を思い出す

 

母の見送りに感化された夫が

自分の見送りも町の小さなレストランで

ワインとフランスパンとキャビアと生ハムで、と言っていたので

その時覚えていたらそうしてあげようと思う

 

思えば確かに母の甥たちや幼馴染や当時暮らしていた近隣の人達

そして夫の兄妹たち、皆和やかに笑っているという、辛気臭さなど一切ない

母の望み通りの見送りだったように思う

 

母が80になって推し活を始めたヨン様の写真も微笑んでいたし

 

母が生前話していた葬儀場の料理よりは

洒落たレストランの料理のほうが確かに美味しい

 

私も娘に頼んでおこうかな

 

出来れば筍の美味しい頃がいいが、そればかりは無理か