民間伝承 | ミナミのブログ

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のんびり、、まったり

昔、アフリカの原住民を日本に招待するという

テレビ番組があり、その時にネット上で危惧されたのが

自然の中で免疫もなく暮らしていた人が

日本の環境に来て大丈夫なのだろうかということだった

 

番組の中では特に問題も無かったようだけど

お風呂に入ったことが無い子を

日本のお風呂に入れたら余りにもきれいになりすぎて風邪を引いたという

裏話が流れた

 

今日、たぶん今年初めての雷の、初雷が鳴った

 

私が子どもの頃の大人は初雷の最中に体に出来た疣を

箒で掃くと疣が取れるという話をしていた

 

その話を娘にすると、床を掃いた箒を身体に宛てて大丈夫なのかと

 

思い出すと私が子どもの頃は怪我をすると唾を付けて済ませる子が多くいて

私の祖母世代になると、着物の袂に溜った着物の埃、袂屑をつけると良いと

 

今の子育て中のお母さんが聞いたら卒倒しそうな話だけど

たぶん祖母たちの年代には今のような科学的なごみは無かったのだろうと思う

 

その一方で、旅に出る人に恙無くという言葉を使うのは

旅先でツツガムシの害に合わないようにという言葉で有り

旅先の生豆腐や生水は食べたり飲んだりしないようにとは

自己の免疫の無いピロリ菌の増殖を起こすからだとも言われている

 

祖母の時代のその前の時代の人々にとっての薬は、たぶんその伝承で

事足りていたのだろうとも思う

 

人間は進化と共に新しい病を作り出していき

民間伝承では手遅れなのかもしれないが、そんな時代があったということが

全て消え去ってしまうのもなんだか寂しい話だと思う

 

民間伝承と言えば

同じように古くから伝えられた野草などを用いた治療が有ったりする

一番顕著なのは蓬(よもぎ)で作られる艾(もぐさ)と

十薬とされる蕺(どくだみ)と虎耳草(ゆきのした)

そして地竜の蚯蚓(みみず)がある

 

艾は、今は鍼灸法で素人がやってはいけない行為になっているが

私が子どもの頃、母に頼まれて母の背中に何度もすえたことが有った

艾と線香でお灸をすえて、金気のモノで燃えカスの上から軽く押しておくと

何故かやけどの跡が出来ないという経験もした

 

横浜に古くから二月になると磯子にある円海山御念寺で

その名も峰の灸という盃ほどの艾で灸をすえる峰の灸というものがあり

その頃になるとその近辺の道路が

灸の道と言われるほどに人が列をなしていたが

今は熱い思いをしてお灸をする人がいるのだろうか

 

蕺は乾燥してお茶になったものが市販されていて

それほど珍しくも無いと思うが

うっかり道端に生えて居る蕺を手で触るとその匂いに悩まされることになる

 

虎耳草は葉っぱの成分が熱を冷ますとされて、火傷や中耳炎、そして

子どもの気付けに用いられる

 

私は子どもの頃よく中耳炎になり、母が友人から教わった虎耳草の搾り汁で

治したことが有ったので、我が家では海水浴に行くときに

数枚ラップで包んで持っていき

海の水が耳に入った時に、この葉っぱの搾り汁を中耳に入れて

耳の中で沸騰するような音がしたら耳を下に向けて治めていた

 

ただしこれは他人にやってよいことではないので勧めたりはしない

 

海水浴にはまた海水の塩分を取るために烏龍茶で体を洗っていたが

今はもう海水浴自体に行かなくなった

 

雷は初雷で本格的な春の到来になるとか

そしてこの雷が落ちると椎茸が豊作になると言わている

 

しかし豊作になるのは椎茸ばかりではなく

農事歴の七十二候には

『雷乃発声=らいすなわちこえをはっす』というものがあり

全ての植物が豊作になる兆しなのだとか

科学的にはたぶん何か研究されたものがあるのだろうけど

雷が鳴ると椎茸を先頭にいろんな植物の成長が育まれるということのようだ

 

伝承の中には、箒を逆さまにして、てっぺんに手拭いを巻いておくと

長居の客が帰ってくれるというものもある

 

効果のほどは分からないが

割としつこいセールスなどに試してみるのもよいかもしれない