2008年8月2日のブログ『昭和の子ども』から
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税務署に書類を届けるのに、前田橋を渡って日向道を歩くのは辛いから、
フランス山公園を抜けていくことに。
港の見える丘公園前でバスを降りて、港の見える丘公園に入ると、
横浜港が青く輝いて。
私はこの景色が大好き。
子どもの頃、この公園は、ただの野原だった。
母の話では、今、英吉利庭園があるあたりに、避病院があったそうだけど、
本当のことは分からない。
ただ、とても深い崖のようになっていて、子どもたちのあいだでは、
この底に落ちると、死ぬ、っていう噂がこっそり流れていて、
だからそばに行かないようにしていたけど、
ここの脇を抜けたところに、木苺がたわわに実っているので、
大きくなったら絶対行ってみる、
と、一大決心をしていたっけ。
夏になると、三角のテントを張ってキャンプをしているお兄さんもいて、
黒い飯盒でご飯を炊いて食べていたりして、完璧にリゾート地のようでもあり。
崖っぷちの端っこの方には、清水も湧いていて、沢蟹もいて、木苺も実って、
ガムの代わりになる、茅萱も生えていて。
この場所に大人が一緒に来て遊んだことは一度も無かった。
怪我をすると、誰かが蓬を揉んで、その傷につけてくれたり、
紫に熟した犬枇杷を採って食べたり、ホンチを捕まえたり、
樟木に集っている、玉虫を捕まえたり、
それは全部子どもだけの世界
親に信用があったのか、親が忙しくて、子どもに構う暇がなかったのか、
多分、大人の領分と、子どもの領分がキッパリと分かれていたんだと思う。
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この港の見える丘の端っこは元々切り立った崖であり、その下はかつて海だった
建設会社によって埋められた土地はある建設会社と国の持ち物だった
私の親も建設会社の借地に建った家を買い、そのあと土地を買っている
それが理由でかこの場所には住民の許可なく掘削できる地があるようで
今まで借家住まいだったみなとみらい線の車両基地が出来るという
工事はもうすでに始まっているそうだが
個人の住宅とそれほど距離の無い場所なのだとか
今の時代はほかの諸事情から既に子どもだけで遊び惚ける
などという状況はありえなくなっているが
家の周りでさえ気軽に散歩も出来ないとなると
なんとも気の毒な話だ