なゐ | ミナミのブログ

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のんびり、、まったり

1933年、昭和八年の三月三日

岩手県東方沖二百キロで、マグニチュード8.1の地震があり

巨大津波が起きたことで六千以上の家屋が流失した

その当時のことを三陸海岸大津波として吉村昭が記録小説としている

 

民族学者の柳田国男遠野物語の中で明治29年の津波で

妻を失った男についてを語っている

 

津波は古く大和言葉で『なゐふる』と表現されている

なゐは大地、ふるは揺れること

俳句ではそのなゐのみが残されて春の季語になっている

 

そのためなのか数日来千葉県で頻繁に地震が起きていて

東日本大震災を経験した人間にはトラウマになりそうだが

農耕民族であった祖先の人々は地震が来た時刻を豊作の占いとしてきた

 

地震を春の季語としたのも、ツチが動くという

農耕に関わることからなのだろうかと思うと何となくわかった気がする


土が動くと言えば、虫が土から出てくる啓蟄

新井白石が

春とは草木の芽はるときなればはるというように

木々草花の芽が膨らみ染める時期でもある

 

春はいろいろなものが動き出し、体の中の病もまた表面化して

木の芽時という言葉になる

冬の寒い時期にはじっと耐えていたものが、春の温かさで緩んで

悪化する

何らかの病気を持っている人は一番気を付けなければならない時期でもある

と、昔入院を繰り返していた頃に、同様に入院していた大人の人が教えてくれた

 

自分が大人になり、いろいろと経験していくと

なるほどなあと思うことが多くある

 

私は幼い頃からお年寄りの来し方の話を聞くのが好きで

いろいろと聞いては質問を繰り返していたが

いつの間にか昔話を語る側の年齢になっていた

 

なゐ 大地は多くの木々草花が生い茂るだけの場所になって欲しいものだ