ボズのスケッチ集 | ミナミのブログ

ミナミのブログ

のんびり、、まったり

木のお友達を描くボブ、ではなく

チャールズ・ディケンズが新聞記者をしている頃に初めて書いた

短編小説集

往時のイギリスの街の情景が克明に刻まれていると

この本を薦めてくれた教師が教えてくれた

 

高校時代の英語の副読書はオー・ヘンリーの短編集だったので

その生真面目な内容と全く異なる、日常生活的な文章によって

私の中のイギリスのイメージが固定された小説でもあり

後にディケンズの書いたクリスマスキャロルの中の貧しい人々の形でもあった

 

この小説の作者はディケンズは

1812年の2月7日、200年ほど前の今日生まれている

その生い立ちをたどると、日本の一人の作者と重なってくる

小倉出身とされる松本清張

 

二人ともに幼少期の貧しさから、ディケンズは4年間を、

松本清張は6年間を学校で学び、幼くして世の中に出て

早く文章を書きたくて新聞記者になり小説家になった

 

そんな内容を書いていながら、ボズの小説を紹介してくれた英語教師の

往時のイギリスの、という言葉を思い出し

この先生は何をもって往時といったのかと、

今はエビデンス、嘗てはソースといった

根拠を知りたくなったが、時すでに遅し

 

今は、微妙なイントネーションに対して

失礼にも、どこの国で英語を学んだのですかという、高校生の私の問いに

マサチューセッツ州訛り、と、ニコニコと笑って答えてくださった笑顔が懐かしい

私なんぞ外国で英語なんか学んだことも無いのに

 

世の中が進歩して多くのモノが便利になり、豊かになるにつれて

大人、という領域に達するのが遅くなっていると、自分自身が自覚している

 

1800年代の戦争により、繁栄と貧困を繰り返したイギリスの街の様子を

描いたディケンズは、ご自分がこの世から去った後に作られた

オリバーニューヨーク子猫物語という映画をどんなふう観ただろうか

 

ご自分がこの世から去ったと言えば、嘗て某新聞記者の取材に対して

自身には子どもがいないので、全財産は嘗て所属していた子を含めた全員に

遺したいと言っていたあの人も、今の状況をどんなふうに見ているのだろう

 

全財産を遺すということは、当人には名誉とか物欲とかが無い明しと

当時の記者が綴っていた

もし、懐刀というべき姉という存在が無ければ

これほど大きな存在になることは無かっただろう、と

 

自身の生涯をかけて願った夢が叶えば

案外そんなふうに欲の無い終末になるのかもしれない