無差別に人の命を狙う
それは悪でしかない
私は中学時代に仲良くしていた友人との関りで
自分の希望する大学に行く選択肢も
なりたい職業に就くという選択肢も消え
長い間公安の人から見守られるという人生を送った
今回、同年齢の運動家と思える人物が病死したが
彼は弁護士の息子だったそうだ
私の友人も同様に弁護士の息子さんだった
私が育った時代は戦争に行きそびれた教師がいた
彼たちにとって、それまでは自分たちの下にいると思っていた人間が
同じ立場ということが許せなかったようで
ある生徒に向かって、今で有れば完全な虐待にも等しい暴力を振るっていた
常に竹刀を持って、生徒を威嚇する教師
他の教師は見ぬきよしの態で
そのことに怒りを感じた私達は卒業式に仕返しをしようということになり
学校の裏手に武器になりそうな竹ぼうきとか丸太とかを隠していたのだが
あっさりと見つかった
弁護士の息子はその仲間には加わっていなかったが
生徒会長になるときに
子ども達が大人の支配を得ないで安心して暮らせる世界をと話していた
学生運動が下火になり、モノを自由に発言してよいという時代に育った私たち
その年代の男が家を捨て、名前も捨て
少数民族への正義のためにという名分で大罪を犯す
自分の正義のために他人の命を奪う
夫がモンゴルで仕事をしている時に、突然帰国命令が出た
その命令が遂行された後に、勤めていた現地法人の人たちが思いもしない罪で
収監されたというのをほかの方のブログで知った
結局、現地法人は消えて、大きな企業が新しい名前で事業を継続している
事業とはそういうものなのだろうと思う
そしてつい数年前、モンゴルでは急速な都会化が進む中で、多くの人が
整備されていないインフラのために汚水の湧く劣悪な環境で暮らしているという
話を聞くことになった
軍隊に入るために夫の許を去るときに、背中を向けていた少年が
立派な青年になり、夫の隣で笑っていた
その数日後に夫は突然帰国し、部屋の中に私物を残したまま
契約を解除された
広大な土地に、まず病院と学校を建てて、道を作り、下水道の整備をし
7年の年月を経て、漸く建物が立ち上がり、これから販売というときに
全てが終わった
そして聴こえてくる、想像を絶する生活の格差
人類は平等であるべきなどという夢物語を語ろうとは思わない
運動家としていた彼が本名で現世を終えたいのであったのなら
本名に立ち戻り
何故そのような経緯に至ったのか、何故そのような思想を抱いたのか
語らなかった、それだけが残念だ
私の友人がもし本名を名乗る日が有れば、是非とも、その経緯を
しっかりと話して欲しい
あの時、誰をも傷つけることなく未遂で終わった教師への反逆
あの武器を隠したのは
虐待を受けていた生徒から相談を受けた教師だと知った私は思う
どれほど貧しくても、どれだけ理不尽な環境にいようとも
自分の人生が無差別に人を殺めるための理由にされるなどというのは
あってはならないことと