私のパソコンがくれた情報によると
今日は哈爾濱(ハルピン)氷祭りなのだとか
哈爾濱は黒竜江省の町
黒竜江省にはロシアからのアムール川が流れている
その黒竜江省と遼寧省、吉林省を含めての三県に
日本は1932年に満州国を築き、1945年の敗戦により解体されている
高校の先輩が寄せた作文によると洪水が起きて、逃げるのに苦労したとあった。
後に指揮者で有名な小澤征爾氏のお母様も
回顧録に洪水で汽車の上で一夜を明かしたと書いていたので
相当の水位だったようだし、洪水も頻繁にあったようだ
その満州から敗戦により日本へ帰宅したときの様子を友人のお母様が友人に
宛てた長い文章を読み解いて欲しいと頼まれてブログにしたことが有る
M子さんへの手紙
黒竜江省はモンゴルとロシアの境にある
モンゴルから夫が帰国する時には直通便が週に何便しかなく
北京か韓国の仁川を経由してこなければならなかった
それほどまでに長い距離を、友人のお母様は歩いて日本に帰ってくる
それも夫は半年前に召集され
まだ五歳の息子とお腹には三か月を過ぎたМ子さんがいた
長い旅と空腹と、まともに風呂にも入れない環境で
五歳の子どもは日々に弱っていく
やがて船に乗るという場所まで来ると
隊を率いていた男の人から
幼い子どもはなるべく中国に残していくようにと言われる
お母様は弱り切った息子に、
船に乗れば、何かあった時に冷たい海に入ることになる
だからここで、と、囁くと息子は母をじっと見つめて
冷たくなった息子の髪の毛の中から無数の虱が現れたと書かれていた
お母様は日本に帰り、その年の12月にМ子さんが生まれる
М子さんは大きくなってから、お母様の両親から
М子にはおじいちゃんの土地があるから心配しなくてもよいと聞かされたとか
鳶色の目と鳶色の髪をした肌の白い彼女を見て
戦地から戻った彼女の父親がどんなふうに思ったかは知らないが
彼女のお母さんは新興宗教に入信し、彼女もまたその宗教に入信していた
人の心は自分自身では救いきれないときに何かに依存する
その時近くに理解してくれる人がいれば、見ず知らずの宗教に頼ることも
無いのだろうけど
戦争で起きた不可抗力な事であっても
容易く誰かに自分の心の滓を見せられるほど強い人間はいない
そんなふうに闇を抱えたままどれだけの女性が戦後を生きて来たのだろう
東日本大震災の時に、多くの人が、あの時、と、後悔をしたと聞いた
それは安全な地に立ったから生まれる感情で有って
戦争で有れ、天変地異で有れ
事が起きている中では、自分の命は自分で守るしか出来ないというのが
人として生まれた以上宿命でもあるのだと思う
地球という動く惑星に生きている限り
どの場所にいようと
地震とは縁が切れないのだから
いつか自分がその立場に立つことが有るかもしれない
その時のためにも
今被災地におられる方々は遠慮せずに
自分のことを守るために声をあげて欲しいと思う
何が欲しいのか、どうして欲しいのかを