伝統 | ミナミのブログ

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のんびり、、まったり

先日、外国のSNSに外国の人が釘を使わない工法で柱を繋げている動画を載せていた

 

それは嘗て宮大工が神社仏閣を建てるために見出した工法で

日本の職人に古くから伝授されてきたもの

 

そのことへの日本の若者の感想に、外国には素晴らしい工法があるのですね、と書かれていた

 

バブルという好景気の後、ほとんどの人が大学を目指し、サラリーマンを目指し

ハローワークの職業訓練所から電気設備や大工などの項目が消え

パソコンや介護職などに変わっていった

 

大学で学んだ若者が目指すのは時間が限られていて、単価が高くて、あまり頭を使わなくてよい仕事

 

職人の世界にはどれ一つ当てはまらない

 

その職人が作った建物は現代に似合わないという理由で

バブル期に次々に取り壊されて高層化されてきた

 

地上げ屋で古い家を取り壊されて郊外の大きな家を建てる人がたくさん増え

まちなかにはタワーマンションという住まいが建つ

その一方で高度成長期の高層マンションは老朽化で取り壊しや立て直しが始まり

 

随分前に、この先千年残る建物は千年前に建てられたものと表現した人がいたが

今の建築物を見ていると何となく納得してしまえる

 

これは日本に限ったことではなく、つい最近までバブル期真っ最中とされた中国でも

都会に行く人が多くなって、住む人がいなくなった結果

600年以上の歴史があるミャオ族の大集落や重慶の古い家並が廃墟と化している映像が流れてくる

 

そしてまたどの国にも競うように高層の建物が建ち続けている

 

全てにおいて完璧なドバイでは小雨でも雨が溢れるというニュースのみならず

多くの国で予測出来ない風水害のニュースを見ていると

建物の高さで空気の流れが変わって、異常気象を生み出しているのではと思えても来る

 

メキシコのアカプルコでは海に面した高層の建物が次々に崩壊し

ハワイでは山火事により町が焼き尽くされたというニュースも届いてくる

 

ビルや組み立て式の家が壊れて、工具も仕えないときに

住む家を自力で建てなければならないとしたら、今の若い人はどうするのだろうか

 

もしかすると、バブル後期に働く人のいなくなった職人の世界に働きに来てくれた

東南アジアの若者たちが助けに来てくれるかもしれない

 

それを思うと

蒔かぬ種は生えないが、その種がどこで芽吹くかではなく

肝心な伝統技能が消えないことのほうがずっと大切な気がするが

 

元は日本のお家芸を、それを知らずに若い子たちが褒めているのには

ちょっと胸が痛むし、伝統というものは手放すのは簡単だが

取り戻すことは永久に出来ないというのを実感してしまう

何故なら、いくら日本古来のといっても、他の国の人から教わったことは

日本独自の伝統芸では無くなってしまうのだから