今年は二の酉で
一の酉は11月11日の土曜日だった
二の酉は11月23日だそう
横浜では中区や南区では横浜橋商店街の裏手にある
金刀比羅大鷲神社の酉の市になるのだと思う
金沢区だと酉の日とかに関係なく
歳の市として毎年12月8日に行われているそうだ
中区で育った私は幼い頃から横浜橋商店街の裏手の
お酉さまに行っていた。
妹と母との三人で行ったときは
南区の母の女学校時代の友達の家に立ち寄って
時には泊まったりしてきたこともあったが
その当時の南区はとても牧歌的で
美容院の営んでいるおばさんの家の前は広い空き地になって
その空き地の一角にはこんもりとした小さな山になっていて
雑木や薄が茂っていた記憶があり
後年、その街に五年ほど暮らした時には
面影など全くないくらい様変わりしていたので
驚いたし、がっかりもした。
その街には90年ほど前から営んでいたという
スーパーもあり
嘗ては地蔵盆という祭りで賑わってもいたり
神輿で有名な商店街もあったり、横濱橋に負けないくらいの
中村橋商店街という
多くの小さな店が立ち並ぶ街もあったりしたが
引っ越した当時は全て今は昔の物語になっていて
凄く残念だった。
それでも残っている店にはかつての名残のような
品物が売られていて
それを見て歩くのはとても楽しいものでにあった。
中村橋を抜けて中村川を渡った先は
山本周五郎が本牧から八幡橋を渡り
伊勢佐木町や野毛に行く途中に見た風景で創り出した
季節のない街 という小説のモデルになった土地でもある
この小説は後に黒澤明により どですかでん
という映画になっている
横浜橋商店街もそうだが、蒔田商店街もまた
近隣には曖昧屋と呼ばれる娼館が有った
食べ物屋で娼婦と言えば、フランスのムーランルージュもまた
嘗ては食事をしながら踊る女を見て
後に外で待つ踊り子にあぶれた娼婦を買う
そんなお店だったと
嘗て銀パリで美輪明宏と同じ舞台に立ったことのある
シャンソンを歌う知人が教えてくれた
カスバの女に出てくる赤い風車の踊り子 とは
このムーランルージュの踊り子のことをいうのだとか
今はそのムーランルージュの踊りを帝劇で公演するそうで
それを若い女性たちが見に行くと聞いて
時代は変わったのだとしみじみと思った
幼い頃に行ったお酉さまの市では
金毘羅神社の脇に建てられた
半間のほどの筵の塀に行儀よく風車が並べて挿されていて
縁日の原色の灯を浴びながら一斉にクルクル回る様子に感動したが
今はそれほど賑やかな色も見当たらない