大阪管区気象台によると
近畿地方では今日11日に木枯らし一号が吹いたとか
木枯らしで思い出されるのは冬の星座という歌
木枯らし途絶えて冴ゆる空より
地上に降りしく奇しき光よ
ものみな息える静寂の中に
煌めき揺れつつ星座は廻る
冬の凍てつく木枯らしが止んだ
森羅万象あらゆるものが眠りの静寂の中に
地上に降りてくる星々の光の美しさよ
と、浅田飴の創業者の息子さんである堀内敬三さんは
とても幻想的な訳詞をしているが
元歌は Mollie Darling 愛しのモーリンという求愛の歌であり
進駐軍の中で流れていたアメリカの流行歌でもあったそう。
私が中学時代、Peter, Paul & Maryとかナンシーシナトラとか
ニールセダカとかの歌はラジオかレコードで聞き、当時のレコードには
歌詞カードが付いてないので、懸命に耳で聞き取り
三省堂のⅠcmくらいの薄っぺらい英語辞書で調べて
歌詞を覚えて歌っていたので
堀内さんもそんなふうに米軍の歌を聴いて
それを元に日本語で詩を重ねていったのかと思うと
不思議な親しみがわいてくる
もし堀内さんが
愛しのモーリン、君は空に輝く星座のように冷たい
なんて直訳していたら
学校の合唱の題材にはされなかったかも知れないと思うと
世の中は不思議なものだとしみじみと思う
時が流れ、ゆずというデュオが歌う
冷たい風の中で 一人つぶやいた
こんなに星がきれい 今君は何処にいるんだろう?
冬の空に 息を吹きかけ
触れたら壊れそうな 僕等の想い出をそっと
流れる星に 届けて欲しい =ほしがきれい=
という歌を聞いたときに、これこそが原詩に近いように思えた
俳句には山口誓子の
海に出て木枯らし帰るところなし
というものがあり
特攻隊として出陣した人々を詠んだ句とされているが
私が親しくしていた俳人によると
養子にした男性の早世を悼んでの句ともいわれているとか
いずれにしても木枯らしには氷のような冷たさが合っている
そろそろ毛布の支度しなければ