うみという漢字には湖と海がある
海は かい 湖は こ と読む
海の字源はさんずいに毎
毎という字は母が冠をした姿を現しているとか。
湖の字源はさんずいの水と、胡という覆い隠すという字から出来ている。
その字源の如く、小説に出てくる湖にはサスペンスのイメージがある。
歌にしても
海のほうは、海は広いな大きいな、とか
お船を浮かばせていってみたいなよその国とか
未来志向が多いけど
湖になると
山の寂しい湖にひとり来たのも悲しい心(湖畔の宿)
とか悲しい恋の亡骸を流しに来たり(湖愁)とか
小説にしても原田康子の小説『挽歌』に出てくる風連湖とか
海ほど広い琵琶湖でさえ浅見光彦のサスペンスの題材になっている
湖とか沼とかは辺りの木々に覆い隠されたイメージと
海とは違い流されていくことのない何かが潜んでいるというイメージが
重なっていくのだろうと思う
だからこそ湖は一層妖しく美しくなり、人を惹きつけるのかもしれない
そう思えば、嘗て夫と一緒に行った福島の五色沼の周辺の紅葉も美しかったが
岩手県の西和賀に行く途中に見た錦秋湖の紅葉も見事だった。
因みに湖畔の宿の舞台は群馬県の榛名湖が舞台なのだとか
私が住む町から一番近い湖には散在が池という
江戸時代に大船辺りの水田に水を引くために作られた
溜池に付けられた鎌倉湖という湖があるが
西岸良平の鎌倉ものがたりの舞台どまりなので
周辺の紅葉も他の湖ほどは美しくはない