
今日は、ゲーテの生まれた日
ゲーテが作詞した野ばらには、二つの曲があります。
一つはシューベルトの野ばら
そしてもう一つは、ウェルナーの曲。
ところが、近年の調べでは、154曲もの作曲がされているそうです。
野ばらの下敷きになっているのは、若き日のゲーテとフリーデリーケの悲恋。
法学生だったゲーテは、友人と訪れた、ゼーゼンハイム村で、牧師の娘、フリーデリーケに出会う。
そして、彼女に恋をしたゲーテは、熱心に愛を語り、その詩を野ばらに託す。
やがてゲーテは、彼女を手中に収めるが、彼女から結婚を希望されると、束縛を嫌い、離れていってしまう。
彼は結婚ももちろん、新しい恋をもし続け、彼女は生涯をゲーテを思って暮らしたのだという。
ゼーゼンハイム村のゲーテ資料館には「偉大な詩人の才能を花開かせた女性がここにいた」と書かれているそうです。
谷戸坂を上りきり、派出所のところを右に曲がり、外国人墓地の方へ向かうと、直ぐ対面に山手ゲーテ座があります。
ここは、1885(明治18)年に建てられた商業劇場ゲーテ座の跡地の一部なのだそうですけど、
このゲーテとは、英語のGaiety、愉快とか、陽気な、歓楽、などという意味なのだそうです。
だから、詩人ゲーテとは無関係なのかもしれないのだけれど、このゲーテ座の直ぐ近くにある、
港の見える丘のローズガーデンの、その薔薇の甘い香りが六月の風の流れに乗って、
このゲーテ座のあたりまで漂っていると、フリーデリーケがその名に惹かれてやって来たのだろうか、と、
そんな気持ちになります。
生涯をかけて独身を通し、ゲーテを思ったフリーデリーケと、生涯を新しい恋に生きながらも、
薔薇の花を愛し続けたゲーテ。
二つ気持ちの融合が、ゲーテという偉大な詩人を作り上げた、ということは、
フリーデリーケ自身が一番良く知っていることなのかもしれない。