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前に、近所に住んでいた女性が、ワンちゃんの葬儀に、四十万円をかけたという話を聞いて、
ちょっと引いてしまったことがあります。
それだけで足りず、初七日とか、三十五日とか、四十九日とか、百箇日も、全てやったと、
誇らしげなというか、満足げな微笑を浮かべながら語っていたのにも、正直、呆れました。
(百箇日って、ひゃっかんち、ではなく、ひゃっかにち なんですね。)
けど、動物が好きと自称する人には、大いに共感出来る話だったようで、私の友人は、
涙を流さんばかりの感動をしていました。
この友人の話によると、横浜市で人間の火葬を頼む場合、持込みだと、38000円で、
後に、16000円の補助があるんだそうです。
但し、火葬にする場合、亡くなったということを、医師が判断し、その死亡届を貰い、尚且つ、
亡くなった翌日(24時間経過後)でなければ、火葬に出来ないそうです。
長い闘病の末、病院で亡くなり、お金が無い、というときは、亡くなりました、と宣告されたあと、
家に帰って支度をして迎えに来ます、って、その間に火葬場に連絡し、
翌日、病院の車で運んでもらう際、直接火葬場に運んでもらうという方法もあるそうです。
が、私宅の仕事上、所謂外注の、今は派遣でしょうか、従業員ではない、
短期雇用の家族持ちの男性も多くいて、健康保険にすら加入しない彼らの行く末を心配している頃、
ある病院に勤める方から聞いた話ですので、今、これが可能かどうかは、解りません。
家庭で亡くなった場合は、警察に届けると、法医学で死因も調べて貰えるそうです。
実際、家で、急性心不全で亡くなった父の遺体は警察病院に運ばれて、
法医学の先生から検診を受け、死亡診断書も貰いました。
その時点で、お金の心配や、もろもろの相談に応じてくれるそうなので、家で万が一の場合は、
そのままの状態で警察に連絡するのが一番いいと思います。
何故なら、居間で亡くなった父を寝室まで運び、布団に寝かせたということで、傍にいた親族は
別々の場所で、かなり厳しい尋問を受けたようです。
何はともあれ、一人で迷って、ゴミ捨て場に、なんて、ニュースになるようなことの無いように、
家族が亡くなった場合の出費とかについては、何かの折に確認しておくと
安心かもしれないと思う今日この頃です。
それはそれとして、ペットロスというのは、辛いより、寂しいという思いが大きいのだと、
実際に犬を失くしてみて、そう思います。
そんな風に、失くしてしまうと無性に寂しさを誘うペットの存在も、我が生活の苦しさには
適わないようで、自称動物好きで、英王立動物虐待防止協会というものが存在し、尚且つ
マーチン法なる、手厚い動物保護法の存在する英吉利では、昨年以降、毎日数十匹の動物が
捨てられているそうです。
では、同じように生活が苦しい日本では如何なのだろう、と思い、そんな視点で歩いていましたら、
横浜橋商店街付近で、
一様にお年寄りの方たちが、買い物用のカートや自転車のかごに、かなり高齢と見られる犬を寝かせて、
買い物をしている姿を多く見かけました。
その方たちにお話を聞くと、ご夫婦二人、また、一人暮らしで、働いている頃飼い始めた犬が
高齢になり、自分たちも高齢になり、
年金暮らしになって、けど、犬を飼うために、家賃が高めの賃貸住宅に住んでいるので
少し遠くても出来るだけ安いものを買いに、と、歩いて来ているのだそうです。
その際、寝たきりになったワンちゃんを家に一人残して来られないので、一緒に連れてきていると。
飼い続ける理由として、毎日の生活の寂しさをペットによって慰めている、というのが
全員の答えでした。 この子は、私にとって大事な家族なのよ、と。
この方たちにとって、ペットを失うという喪失感は、四十万円の葬儀代くらいでは、埋めることが
出来ないんだろうな、と、実感しました。
で、思えば、冒頭の女性も、私の友人も、定年退職されたご主人との二人暮らしだということを
思い出し、妙な納得を致しました。
調べると、神奈川県や横浜市また、再生機構の住宅ではペットを飼うことは認められていないようです。
(東京都では認められていたり、また、認められつつあるようです。)
自分の生活費を削っても、ペットを飼い続けたいと言われた方は、ご高齢で、
年金暮らしという方が殆どでした。
そのような方が市や県の、安価な住宅を諦め、賃貸の、それも、ペット相談可という条件を加味した、
少し高めな賃貸住宅に住むことを余儀なくされている現実をみていると、
生活が倹しくなるという理由だけで、昨日まで着飾らせていたペットを
野に放つ英吉利の、絵に描いた餅みたいな動物愛護より、
孤独であったり、高齢であったりする人を愛する、人間愛護法ってのを作って欲しい、と、
真剣に思います。