昨日、小港のバス停近くに有る、母の話では、そのあたりでは、初めてテレビを買ったという
お花屋さんに、花を買いに行ったら、小学生らしい男の子と女の子の兄弟が、
カーネーションを一本、買いに来てました。
お花屋さんのお兄さんがそれをラップに包んで、リボンをしようとすると、隣にいた別のお客さんが
茎を切って、って、小さな親切運動をしてました。
親子なのかと思ったけど、そうではないらしいようで。
それを見ていた私は、流石に本牧の住人らしいと思ったものでした。
ハイ、お節介やきなんです。
頬を少しくれない色に染めた女の子は、そのカーネーションを恭しく両手で受け取ってました。
大ぶりの、真っ赤なカーネーションを見ていたら、
私が小学生の頃、学校と町内で配られた赤いカーネーションのバッジを思い出しました。
学校では、兄弟の中の一番上の人が貰えるんです。
だから、低学年の場合、一人っ子か、若しくは、長男、長女だけが、その花を胸に飾れるんです。
そんな中に、町内で配るカーネーションを胸に付けていくと、なんとなく偉く?なったような
不思議な思いに駆られたものでした。
胸に付けるバッジには、もう一つ、確か50円を払って買う、桃色のものもありました。
そのバッジを付けていくと、野毛山動物園にタダでは入れる。
そんなわけで、子どもたちは、そのバッチをしている子をとても羨ましく見ていました。
≪野毛山動物園は、今は入場料無料ですけど、その当時は、有料だったと思います。
それと、動物園の少し先には、遊園地も有って、飛行機に乗った記憶もあります。≫
そのバッジをしている子は、けれど、あまり誇らしげにはつけていませんでした。
何故なら、お母さんがいない家の子に、横浜市が無償で配っていたからです。
少し賢い、長男である同級生がその情報を入手し、クラス内に伝播したことで、子どもたちの中では、
その桃色が急速に翳んでしまったのでした。
お花屋さんの店先で、真っ赤なカーネーションを誇らしげに買う女の子の姿を見ながら、
私の母も、夫の母も既に他界して、母の日に花を贈る相手がいなくなった今、
何故か、あの桃色のカーネーションがとても鮮やかな色で蘇ってきました。
そんなわけで、今日は、白ではなく、桃色のカーネーションを母に供えようと思います。