刀剣散歩~刀剣手入れツアー~ | 杜の都のすずめのお宿

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たびのレシピさん(http://www.tabino.co.jp/)企画の刀剣手入れツアーに参加してきました。

 

刀剣の手入れは中鉢美術館の基礎講座で何度か経験したものの,久しぶりだったのでおさらいしながら参加。
館長から解説とお手本→練習用の刀で実践→本番の流れで行いました。

 

手入れのおおまかな流れは下記のとおり。
刀に一礼。
刀袋に入った白鞘の刀を抜き,枕に置く。
目釘を外す。
刀を斜めにして立て,持ち手をもう片方の手の拳で軽く叩き,柄から中心を外す。
はばきを外す。
打ち粉などを使って刀身の古い油を取り除く。


丁字油を均一に塗り,適度にふき取る。

 


はばきをつけて柄に入れ,柄頭を軽く叩き目釘の位置まで刀を納める。

目釘をつけて刀袋へ戻す。

 

◆刀の手入れは心の手入れ
刀を手入れするときは,ほどよい緊張感を持つことが大事。
例えるならば,ご先祖様の位牌と向き合うように。
動作は一つ一つ丁寧に。二つのことを同時にしようとしないこと。
手入れの最初と最後に刀に一礼する。
刀には持ち主の人柄が表れる。

 

◆刀袋
鞘の保護だけでなく,刀を抜いた際に鞘の中に埃や虫が入ることを防ぐ役目もある。

 

◆白鞘
鞘は服と同じ。
同じ刀でも用途や持ち主の格に合わせて着せ替える。
白鞘は刀を保管するときのいわばパジャマのようなもの。
通気性が良く,手入れがしやすいつくりになっている。
続飯(そくい)というお米で作った糊で接着されているので,半分に割って掃除することができる。

 

◆枕
切先が布にひっかかって傷がつくことを防ぐ。

 

◆中心(なかご)
中心(茎とも書く)は,刀の歴史を感じさせる錆や仕立て,刻まれた銘など刀剣の見どころの一つ。

 

◆目釘
刀を一点で支える重要な部分。
目釘が複数空いていると擦り上げされた(元々の長さより短くした)刀だとわかる。

 

◆打ち粉
砥石を粉にしたものをくるんだ紙を更に綿や絹でくるんだもの。
刀身を叩くと白い粉が出る。

 

◆丁子油
丁子とはカレーなどに使われるスパイスのクローブのこと。
丁子油は武士や力士が髷を結う時に使用する鬢付け油にも使用されていた。
高貴薬で香料でもあることから,七宝のひとつとされ,家紋に丁子を用いる武将もいた。

 

手入れ体験では備前の刀と和泉守兼定(二代目の通称「之定」)の刀を手入れさせていただきました。

 

▼和泉守兼定

緊張しました(汗)

 

手入れ体験の他に,宮城県大崎市岩出山から鳴子にかけての刀剣ゆかりの史跡などをバスでめぐり,いろんなお話しが聞けて勉強になりました。

お話しの内容については改めてブログでご紹介させていただければと思います。