重力平衡の状態にある星について、正しいものを選べ という問題
第10回1級過去問 正答率5%
正しい記述は表題の通り
重力平衡の状態にある星において、「星の表面から外部にエネルギーが放出されると星内部の温度は増大する」
一見するとというか、ちょっと考えても、表面から外部にエネルギーが出ると星内部が熱くなるという現象は素直にウンと言えない文章です。
検定試験なので4択ですが、2択までは何とか絞れてその2択がどちらか不明でした。
ちなみに誤答1は、
「星が重力により収縮すると解放されたエネルギーは全て星の温度上昇に転換する」というもの。
選択肢に「全て」とあった時は疑えというのが私の経験知で、この場合だと当然光粒子となっても外に放出されますので✕
誤答2は、
「重力平衡の状態にある星ではガスに働く重力と圧力が釣り合っている」
これはよくあるひっかけ問題で、重力と釣り合い関係になるのは、圧力ではなくて圧力差(or 圧力勾配)が正解。
誤答3は、
「重力平衡にある星の全エネルギーは正値でなければならない」
実はこれと迷ったのですが、これは明らかな間違えのようで、星を有限半径に閉じ込めておくために、全エネルギーは「負値」になっていないとダメなようです。
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正答率5%の問題なので、これがわからなくてもしょうがないといえばしょうがないのですけども、現時点でまだ試験まで半年以上あるので、ぜひこういう知識も身につけておきたいと、私は思うわけです。
この記述については、「テキストに書いてあります」
だから多くの受験生は記載を見落としています,,,
ただしテキスト本文ではなくて、演習問題にあります。
さらに「ただし」なのですが、1級テキストの律義な点は、問題を解かなくても設問を見ただけで、多くの場合そこに結論が書いてあるところです,,,要は問題文だけ読んでも知識が付く,,,というもの。
下記が問題文(テキスト本体に記載のもの)
問 24.4
星が重力で収縮すると,解放されたエネルギー dΩg の一部が内部エネルギーの上昇 dUとなり(星は温度上昇する),残りのエネルギー dE は外部に放出されることになる.γ = 5/3 の場合,収縮で解放された重力 エネルギーの半分が星の温度上昇に使われ,残り半分のエネルギーが(放射などとして)外部に放出される.こ のことを確かめよ。
この問題文を読んだだけで理解できれば、それはそれでいいわけです。
下記が答え(ネット上に公開されているもの)
答 24.4: γ = 5/3 の場合,dU = −(1/2) dΩg > 0 である.星の全エネルギーの変化は dE = dU + dΩg = (1/2) dΩg < 0 となる.すなわち,星の収縮で解放された重力エネルギー (dΩg < 0) の半分が星の温度上昇 (dU > 0) に使われ,残り半分のエネルギー (dE < 0) が,放射などとして外部に放出されることになる.( 星が収縮するときの重力エネルギーの変化は dΩg < 0 であることに注意すること.)
読んだだけだと?な点もありますが、ビリアル定理というのがあって、そのことを言っているのだろうな,,,というのが現時点での私の理解。
下記が追加解説
<参考> γ > 4/3 のときには E < 0 なので,星は重力的に閉じ込められた状態となる.このとき星が重力収縮すると,解放されたエネルギーの一部が内部エネルギーとなり(星は温度上昇する),残りは外部に放出されることになる.通常の物質の場合エネルギーを放出すると温度が下がるが,重力によりまとまったガス球の場合には, エネルギーを放出すると内部の温度が上昇する(「負の比熱」ということになる).
γは比熱比のことを言っていて、1級テキストでこの辺りが一番難しいところです。ポリトロピック関係式という星内部の状態を明らかにするあたりなので、細かいところまではわからなくても、結論だけは追いかけていきたいと思っていて、表題はその結論を構成する一部になります。
今回の問題に関する知識はテキストにそのまま載っているわけですが、問題/演習/研究の答えの多くは、別途、ネット上に公開されているので、私はテキスト周回するときにこの演習問題も目を通すようにしています,,,
でも理解はまだまだです。

































