また、ピンポーンと玄関のインターホンが鳴った。
「やれ、やれ。年の暮れは人が来るねぇ」
おばぁちゃんは、ブツブツ言いながら、ドアを開けた。
「地デジ料金の集金です。こちらは衛星契約でしたよね」
「地上契約ですよ。若いのにボケちゃだめよ」
「いやぁ、そうですね。マイッタなぁ」
集金人は頭をかいて、ハハハと笑い、料金を受け取り帰って行った。
しばらくすると、八百屋のやお八と書かれた電動バイクがブレーキ音を響かせて止まった。
おばぁちゃんは、サビたバイクじゃ店の信用落とすわよと、軽口を叩き、運ばれてきた野菜を受け取った。
続いて、電動自転車の市役所の職員が、今月の住民税の集金だといって、尋ねてきた。
「少しはコンピュータを使ったらどうなの。みんな集金だなんだと休む暇がないわ」
「この町は高齢者に限り、集金や買い物は昔どおりにするキマリになったんですよ。結局、昔どおり原始的にやるのが、おばぁちゃんの安否確認をするのに安上がりですからね」
「役所にただ座ってるより、自転車をこいでるほうが、アンタの健康に百倍もいいわよ」
そう決め付けられた職員も、そりゃそうですな、現に調子は上々ですからねと言った。そして、また、適当に来ますからと、手を振りながらのんきに帰って行った。
(おわり)