<記憶は永遠に> | 3秒~3分で読む超短編小説とお気楽メモ

3秒~3分で読む超短編小説とお気楽メモ

<題名>とタイトルを書いているのは、短編小説です。他のものは、日記訓練です。去年はよくサボった。今年はサボらないならすごいが、続くとも限らない…?

ピアスあいてる? ブログネタ:ピアスあいてる? 参加中
本文はここから


あげるわといって渡されたピアスを、ボクは丹念に調べた。
ブルーに光るホログラム結晶は間違いなく高級なシロモノだ。

「こんな高いもの、もらえないよ」

彼女は自分の耳たぶを指差した。
最新型のホログラム結晶が赤くきらめいていた。
「インターフェースを高速化したから、もう、わたしには使えないのよ」

実をいえば、ボクの標準型メモリーは、不足気味で、かなりの記憶を圧縮して、やりくりしていた。 人と会話するときに、そのもたつきがあるため、相手が怪訝な顔つきになるのが気になっていた。 

これがあれば、すいぶん、助かる… 

ちょっとかしてと、彼女は、ひんやりとした指先で、ボクの耳から、標準型ホログラムをそっと引き抜いた。
痛くもかゆくもないが、メモリー参照ができないと、自信がなくなる。
自分の記憶だけを頼りにするっていうのは、どうもね… 

彼女は慣れた手つきで、メモリーを移し変え、あたらしいブルーのホログラムを耳につけてくれた。


「さすがに、いいね」
ボクは、一新されたメモリー空間に、記憶を展開した。
メモリーは高速だし、支援プログラムも、格段に高機能のようだ。

当然、目の前にいる彼女の記憶メモリーが展開されてくる。
なんだか、みなれない情報があるな…

彼女は、じぶんのことを、いろいろ付け加えておいたわといって、ふふふと、いたずらっぽく笑った。


(おわり)