先日のブログ記事「面会交流と学校行事参加は異なる制度です」で,学校を相手方とする面会交流調停のお話をさせていただきました。

 

 

 

 

 

弁護士作花知志のブログ/面会交流と学校行事参加は異なる制度です

 

 

 

 

 

 

 

 

学校を相手方にして面会交流を求める調停を申し立てる方法が一般的だとは思いますが,もう1つ方法があります。それは,同居親を相手方として,「別居親が子の通園する園や通学する学校の学校行事に参加することを,同居親は妨げるな」という調停・審判の申立を行うというやり方です。

 

 

 

 

 

保育園や学校の行事に誰を参加させるかは,保育園や学校の長が決めることであり,同居親はそれを決める法律上の権限はなく,当然管理権や同意権限もないことになります。

 

 

 

 

 

さらに申すと,そもそも同居親は,子と別居親が面会を行うことについて同意したり許可したりする権限を認めた規定は,法律上存在しない,というのが東京高裁判決の立場です。

 

 

 

 

 

いわゆる「自由面会交流権訴訟」において,東京地裁令和4年11月28日判決20頁は,「民法その他の現行法を通覧しても,監護権者その他の同居親に,他人と子の面会に同意の権利,権限が付与されているとは解されない」と判示しました。その控訴審である東京高裁令和5年8月31日判決でもその判示内容は維持されています。

 

 

 

 

 

すると,そのような観点からも,同居親は,別居親が子の学校行事に参加することを妨げる法律上の権限を有していないのですから,「別居親が子の通園する園や通学する学校の学校行事に参加することを,同居親は妨げるな」という調停・審判の申立が認められるべきことは,法律上当然なことである,と私は考えています。