私が担当させていただいている子の連れ去り違憲訴訟(東京地裁)は,令和3年9月8日に期日が開かれました。そこで,原告ら側から,「子の連れ去りを防ぐ立法が可能である」という主張として,「親子審判」の主張が行われました(主張書面により陳述されました)。

 

 

 

 

 

弁護士作花知志のブログ/講演会で「親子審判」の創設を提言しました

 

 

 

 

 

 

子の連れ去り違憲訴訟HP

 

 

 

 

 

 

実はこの「親子審判」の主張は,やはり私が担当させていただいている自由面会交流権訴訟(東京地裁)でも行っているものなのです。

 

 

 

 

 

自由面会交流権訴訟HP

 

 

 

 

 

 

本来は,主張内容が異なるはずの2つの憲法訴訟において,同時に「親子審判の立法を行えば,子の連れ去りもなくなり,そして親子の自由な面会交流権が実現できる。」という共通した主張が行われることは,とても珍しいことです。そのような共通した主張が同時にされたのは,①子の連れ去り問題と,②自由面会交流権利の問題は,表裏一体のものであることを,如実に示しています。

 

 

 

 

 

そしてその問題の根底には,現在の民法819条が規定している「離婚後単独親権制度」があります。離婚すると,一方の親のみが子の親権者になる制度のため,子と一緒に生活をしたい親は,子を連れ去り,別居親と子との面会を拒否したり制限したりするのです。それは,現在の裁判実務では,離婚後の子の親権者は,その段階での子との監護時間が多い方が選ばれやすいという傾向が,インターネットなどを通じて知られた結果起きている事象と言えると思います。

 

 

 

 

 

現在の世界で離婚後単独親権制度を採用している国は,日本など少数派であり,ほとんどの国では離婚後も共同親権制度を採用しています。それは,そのことが子の福祉に資するからにほかなりません。「離婚後も両親の親権を受けることが,子の福祉そのものである」ことを明記した国内用を制定している国もあるのです(オーストラリアやスゥエーデンなど)。

 

 

 

 

 

私達が,①子の連れ去り違憲訴訟と,②自由面会交流権訴訟を提起したのは,民法819条の離婚後単独親権制度が生んでいる悪循環を断ち切りたいからです。その1つの方法が「親子審判」であります。その立法が可能である以上,国会は,2つの問題を同時に解決することができたはずだと思います。

 

 

 

 

 

自由面会交流権訴訟の次回期日は令和3年12月6日(月)午後1時30分から、子の連れ去り違憲訴訟の次回期日は,令和4年1月19日(水)午後1時30分からが予定されています。訴訟は結審が近づいています。この問題を解決するような,子の福祉を実現するような判決が出されることを祈り,訴訟活動を続けたいと考えています。