幼少時に両親から暴力を受け、首まわりに恐怖を感じる女性 ~前世はどういう関係だったのか~ | LEO幸福人生のすすめ

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『前世療法①』は、キャサリンという女性の退行催眠が、ひたすら描かれているので、ひきこまれるようにして読んだ。

『前世療法②』は、ワイス博士がその後、数多くの退行催眠療法の経験を積んで、そこから抽出された、あるいは博士の洞察する、転生輪廻の仕組み、魂の秘密、神と天使、人間との関係などの考察が、理論的にまとめて論じられて、原理の理解ができるように書かれている。

こちらは一人の主人公ではなく、いろんな人の退行催眠事例が、短いエピソードの紹介と共に語られている。そこでどんな魂の学びがあったのか、魂の課題があったのか、ということが洞察されてゆく。
患者にとっても学びと癒しの体験であり、その治癒を助けるワイス博士にとっても、驚きの連続と同時に、人生の本当の意味を学ぶ大切な機会になっていたのだと思う。

いずれもすでに過去読んだ本なのだけれど、細かい内容は忘れてしまっているので、再読すると初めて読むような楽しさと、新たなる発見や学びを与えてもらえたように思う。


リンダという女性は、精神的虐待を理由に夫とはすでに離婚しているのだが、情緒的には安定しているしっかりとした女性に見える。
けれども博士の診療を受けに来る以上、当人にとっての何かしらの苦悩があるに違いない。リンダはなぜか首まわりが広く開いた服を着ている、とのこと。ここに重要な心理的特徴が表れていることが、退行催眠を通してわかってくる。
子供の頃の体験を語り始めると、落ち着いた表面上の外見の下に、隠されていた激しい気持ちがあることが判明してくる。

両親から激しい暴力を受けていた幼少時代、おじには性的ないたずらをされていたのに、両親はそれを知っていて放置。
妹たちが自分と同じ苦しみを受けないよう、彼女たちを母親のようにかばい守ってあげていた過去がわかってくる。
児童相談所にかけこんで助けを求めても、家に調べに来た調査員が帰ってしまうと、気絶するまで殴られたという。

10代になるとリンダは喘息になり、それがだんだんひどくなって、窒息するのではないかという恐怖に悩むようになる。この恐怖を感じるようになってから、彼女は首のまわりにネックレスやスカーフをつけられなくなり、服も首回りが開いているのでないと着られなくなっていったという。

以下、ワイス博士による記述。
 

彼女の過去をもっと探らなければならない、と私にはわかっていました。  
私は彼女にカセット・テープを渡しました。表側はリラックスするための瞑想用、裏側は退行催眠の練習用のテープでした。両面とも、私の声で誘導していました。片面でも両面でも好きなように試してみて、もし、もっと不安になったり否定的な感情が出てきたら、私に電話をするようにと、私はリンダに言いました。
家に帰って、リンダはそのテープの両面を毎日、聞きました。テープを聞くと彼女はとてもリラックスできました。

 

三回目の診察の時、私は三十秒以内に深い催眠状態に入らせる技術を使いました。リンダはすぐにしくしく泣き始め、首を弓のように後ろにそらせました。 「誰かが私の髪の毛を摑んで、頭を後ろに引っぱっている!」と彼女は叫びました。「私をギロチンにかけようとしている!」  彼女はすぐに死の体験に移行しました。

 

 

トランス状態のまま、リンダは自分が首をはねられる様子を見守りました。その人生で、彼女には五歳の娘がいました。その子どもも群衆にまじって、母親の処刑を見ていました。首をはねられたあと、リンダの頭部は目の粗い麻袋に入れられ、近くの川に投げ捨てられました。私たちはその死の場面を何回もくり返しました。一回ごとに彼女の感情は静まってきて、最後にやっと、彼女は冷静にその出来事を詳しく私に話すことができるようになりました。幼い娘を残して死ななければならず、彼女は胸が張りさけそうでした。  
何秒かたちました。彼女のまぶたがピクピク動きました。彼女の目がまぶたの下であちこちに動き、何かを捜している様子でした。突然、彼女は首を左右に振りながら、また泣き始めました。 「彼よ! 私の父は彼だったんだわ!」。リンダが父と呼んでいるのは、今生での彼女の父親のことだと、催眠が終わってから彼女は私に説明しました。 「当時の夫が、今生は父となっているのです。夫は他の女と一緒になるために、私の処刑を企てたのです。夫が私を殺させたのです!」 「お前は生まれた時からお父さんを嫌っていたわ」と母親が言っていたわけが、リンダにわかりました。父親が抱こうとすると、彼女は大声で泣き叫びました。父親が彼女を下におろすと、泣き止んだものでした。その意味が今やっと、理解できたのでした。


ギロチンで首を落とされるという衝撃の最期。恐怖体験。しかも夫の奸計による無実の罪による処刑。幼い娘を残していく悲しみ。娘は母親がギロチンで首をはねられる場にいて、それを見ていた。なんという悲劇的な最期であることか。ひどすぎる。

この時、自分を死においやった当時の夫こそは、今世、幼い自分を暴力で虐げた実の父親の前世であること、そのことを彼女は直観的に理解する。
前世、自分を無残においやった夫が、今世、この世に生まれた時に、自分の父親として存在していて、自分を抱こうとする。幼い自分が父を嫌がり泣きさけぶのも当然でしょう。心の声が、この人は自分を苦しめた張本人だ!と告げるのでしょう。その怒りと恐怖は、父を拒絶する当然の行為となって現れる。

父親は、娘が自分を嫌うことに怒りを覚え、その不満ゆえに彼女にいっそう厳しくあたるようになったのかもしれない。自分に対する嫌悪が、彼女に対する怒り憎しみを生み、父親は今世もまた娘であるリンダを虐待するのであろうか。

こういう事例はほかにも数多くあるのが、著書を読むとわかります。過去の時代においては、残虐な行為が無数に記録されているけれども、理不尽な暴力や死を与えた事実は決して消えず、そこに発生した加害者と被害者の関係、その憎しみと怒りと恨みのカルマは、生まれ変わっても付いてきて、ふたたび両者はどこかで出会い、前世のあやまてる人間関係を克服しないといけない。そういう課題があらわれてくる。

リンダはこの過去世においてギロチンで首を落とされた恐怖体験が、首回りに対する不安として今世にも現れてきたのでしょう。喘息にかかるようになってから生じたこの恐怖心は、喘息が原因ではなく、前世の恐ろしい処刑体験から生まれている。喘息自体が、前世のこの恐怖心が因となって表れている病気なのかもしれません。

人間関係においても、今世、幼い頃に自分を虐待した父や母との、前世における関係性はどういったものなのだろうか? 多くの場合、今世によくない関係性の相手は、過去世においても敵であったり、自分を苦しめた相手であることが多い。またその逆もしかり、自分が加害者であった場合にも、今世の出会いは喜ばしい関係にならないのは当然の因果でしょう。

大川隆法先生は、『心を癒すストレス・フリーの幸福論』の中で、信者たちに、どのようなことにストレスを感じているかのアンケートを取った、と書いています。
いちばん多かったのが「人間関係のストレス」だったそうで、そのために同書では、人間関係において生じるストレスの克服法が数多く教えていただけます。
前世から引き続いてあらわれいるのが、いま現在の人間関係であるのなら、その関係の修復や、真の意味での理解や協調のためには、相当に深い人間理解と心構え、人生への洞察が必要になるのだ、ということが、この『前世療法』シリーズを読むと痛感されます。
何度も何度も繰り返した人生の、その因から生まれた結果としての、今世のさまざまな人間関係が生まれているのだ、ということ。こうした理解は、人間関係のストレスを克服するための、深い深い解答法を教えてくれるに違いありません。


リンダの診察事例に話を戻します。

 

この診察の時、リンダはあと二つ、過去世を思い出しました。何世紀か前のイタリア女性だった時、彼女は幸せな結婚生活を送りました。相手は今生で彼女の祖父となった人でした。彼女は二人が所有していた舟に乗っている自分の姿をはっきり見ました。彼女は白い服を着て、長い黒髪をそよ風になびかせていました。この人生は愛に満ちた幸せなものでした。彼女は年とってやすらぎのうちに亡くなりました。今生で彼女は祖父と大変に温かく愛にあふれた間柄にありました。


リンダの過去世には、不幸ばかりがあったのではない。
イタリアで生きた幸福な人生では、幸せな結婚生活をおくることができた、とのこと。
その時の夫こそは、今世、自分の祖父として転生していた人であり、リンダと祖父の関係は、愛に満ちた温かな関係だったそうです。

善き魂関係もまた、ふたたび戻ってくるのだ、ということ。このことは、善い関係を多くの人と持つことが出来た魂は、生まれ変わっても、善き人間関係に多く恵まれることを示唆していて、これはとても素晴らしい福音ではないか、と思います。

人間関係においても、善因善果、悪因悪果が、みごとに成立している。この神が造られた世界の神秘、不思議、転生輪廻の驚きを感じずにはいられません。

診療の最後に、ワイス博士はリンダに問うています。

 

これらの人生から何を学ばねばならなかったのですか、と私はリンダに聞きました。 「人を憎まないことです」。高い視点からものごとを見通す超意識の状態で、彼女はす早く答えました。「私は許し、憎まないということを学ばねばならなかったのです」  
彼女の憎しみのエネルギーと父親の激しい怒りのエネルギーが、二人をまたしても引きつけ合って、その結果は惨憺たるものになったのでした。しかし、彼女は今、やっと思い出したのです。そして、いやしが始まりました。なぜ自分が生まれた時から父親を拒絶したのか、リンダはわかりました。また、心の中にため込んだ罪悪感や恥や暴力がゆり動かされて、父親がとめどなく子どもを虐待し続けたことも、理解できました。そして、彼女は父親を許しはじめたのです。  
退行催眠が終わった時、私はリンダにブラウスの一番上のボタンをかけてみるように言いました。彼女はためらいもせずに、ボタンをかけました。不安も恐れもなくなっていたのです。


憎しみを捨て、許しの気持ちを獲得すること。なんという深い精神体験でしょう、魂の学びでしょう。

こうした診療と魂の体験を数多くの人が実際に、自分の体験と学びによって得られたら、多くの人の魂がそれによって救われ、魂の成長・進化もいっそう促進されるにちがいない、と思いますね。