スピーカー修理日記 -110ページ目

スピーカー修理日記

世界のオーディオスピーカーのあれこれを紹介します。

色々な道具を使って修理をしていますが、個々の道具は使い方や使い勝手により選んでいます。

例えばさりげなく使っているピンセット、勿論、医療用では全くだめでした。精密機械用でも使える物と使えない物があり、最終的に先端で力強くつかめる物になりました。医療用などは力強くつかむと逆に先端が開いてしまいます。

eggi

始めは上記の理由で選んだものを使っていたのですが、使用していくうちに頻繁になくなるのです。スピーカーユニットは大きな磁石が付いているので、修理後気が付かないうちにお客様のユニットにくっついてしまったりするんです。

また、磁気ギャップのゴミを取り除く時に磁力でくっついて作業にならない事から、その後、ステンレスタイプの物に変えた事で解決しました。他にも磁気ギャップの隙間用は先端が細長くなった専用ピンセットを使用し、用途によっては、先端を削って加工して使用しています!

昨日御紹介した、E-145-8まともに鳴っていましたが、Reコーン依頼品でした。

e14582

今回のリコーンは単に修理コーン交換ではなく、フレームを生かして、名機150-4Cに迫るユニットに改良する目的です。

JBLパラゴンには一般的にLE15が付いているが、初期物のみ150-4C(アルニコ)が付いている、150-4Cがあまりにも名機だったため復刻版150-4H(フェライト)が発売された。E-145-8は150-4HのPA用といったとこであろう。

この名機150-4CとE-145-8ではアルニコとフェライトという根本的な違いはあるもののフレームの形状はちかく、音の違いはコーンにある。E-145-8の純正コーンは薄くペラペラ、150-4Cのコーンとは見かけは似ていても音は違う。そこでJensen15LLのコーンが150-4Cのコーン極めて近い。写真でもお分かりのように、JensenとJBLとではボイスコイルの径も異なる、(写真右Jensenコーン、写真左JensenコーンにJBLボイスコイルを移植)この移植で本物までは行かないが、とても近いほぼ150-4H出来上がり。

写真右上はフレーム内側から写した物で、2231のフレームの上にリング状のフレーム上げ底が確認できる。

これも珍しいタイプです。

e1458

JBL E-145-8

基本的なフレームは2231などと同じなのですが、右端の写真でわかるように普通のフレームの上にリング状の上げ底があり、コーンの形状も深くなっています。型番もEから始まるシリーズなのでPA用のユニットですね。年間に2セットくらいしか修理に来ません。

これが当社オリジナルエッジです。

eggi

改良に改良を重ね、3世代目のエッジです、以前からご紹介しているように当社のオリジナル製品ですが、5年ほど前にエッジ材を発注している取引先から、「「当社オリジナルエッジを売って欲しい」という人が来たので、某社オリジナル製品ですので他社にはお売りできませんとお断りしました」と連絡がありました。どこでどう調べたのか?誰かが欲しがっているんですね~。確かにこのエッジ材あってこその技術ですが、私たちも職人です、同じエッジ材が手に入ったからって同じ仕上がりは絶対無理!!もちろんblogでも書けないノウハウは沢山あります。

ご存知、フェンダーのギターアンプに入っているユニットです。直径30cm(かの有名なD130(38cm)の小型モデルです)

d120f

もちろんJBLのユニットで、同じ中古でも同等のJBLの製品よりお値段がかなり高いようです。能率も高くギターの音がキィーンと前に出てきそうな音色。楽器用の場合、1本のみでも高く売れるというメリットもあるようです、オーディオ用は1本では、ちょっと価値がないですね。

当社として2台目の修理です。

le30

高調波が多いように思います。

JBLの中でもかなり珍しいユニットです、私は始めてお目にかかる物でした。このマグネットはこの当時のホーンドライバーにも同じ物が付いているそうです。最近、季節のせいかTANNOYの依頼は少ないのですが、JBLは数来ています。中でもLE30に引き続きJBLの珍しいスピーカーが他にも2台きています。またご紹介しますね。

この写真はJBL 2122H(システム名4344のミッドレンジ)です。

2122H

下の写真はコーン表面にプツプツが全体にありますが上の写真にはないのです。確か上が初期のコーンで純正修理でリコーンされた物が下の写真だったと思います。

他にも上の写真右に写るゴムの押さえと下の写真左に写るゴムの押さえ、どちらも黒くてわかりにくいですが、厚みが全然違うんです・・・。これらもペアになったユニットでした。

コーンに関しては表面は異なるものの特性に違いはありませんでした。今回はお客様からの希望でウレタンエッジでの交換でした。

ag01 水銀整流管

何やら机に閃光がはしる、ドクターQ氏の実験、同時にスイッチを入れると、数秒間、青白い閃光が・・・。ヒーターに続いて遅れてB電圧をかけると閃光を放つことなく安定した。

私には何の事かよくわかりませんでしたが、何やらピカピカ光っているのでとりあえず写しました。少し写っているのは、ドクターQ氏作の真空管アンプ、これを改良し水銀整流管を組み込もうという考え。水銀整流管は音がいいと言う人がいるので、どんなものか組み込みのテストをしていたそうです。スイッチ入れてしばらく光るのも、面白いかもしれない。でもちょっと不気味!!

どこかでウレタンエッジで修理された、LE8T悲惨な事になっていました。

le8tj

押さえのゴムが収縮したのか?????写真でご確認いただけるでしょうか?

写真でわかるようにフレームの淵から内側により押さえの意味がなくなっている・・・、よく見ると継ぎ目も5mmくらい隙間が開いている。本来はフレームの淵に沿い全体的に突っ張っていてしっかりエッジを押さえる構造。長さが短くなっている継ぎ目にゴムを継ぎ足し元どおりに修正完了!後で気が付いたのですが、そろそろウレタンの寿命が近づいているようでした・・・・。

lesson7

①カットした両面テープを周囲に貼っていきます。

②③ねじ穴の部分は加熱したハンダごてで焼き穴を開けます。

④ダンパーが水平になるようにコーンを持ち上げ、ダンパーをドライヤー熱風で温め、送風で冷却します。

⑤押さえのスポンジをのせて、完成!!


修理後は早めにBOXに取り付けましょう!ユニットを上向きで長期間置いているとコーンの重みでダンパーが下がってきます。修理に関係なくダンパーが下がっている場合は④の作業で戻ります(一般的なクロスダンパー)

このようにダンパーが下がってしまっていると、ショートボイスコイルのユニットの場合コイルが磁界から外れることにもなり、多大に音に影響します。


修理のポイントご参考になりましたでしょうか?

これからも書き続けてまいります。