「消費行動」の老若男女差の変化 | SP館のブログ 空間づくりのおてつだい

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マーケティングの勉強してると結構出てくるんですが、日本におけるど真ん中の一般的ライフスタイルってのがなくなってきてるそうです。

一昔前までは、いわゆる「核家族」ってのがマーケティングをする上でもひとつの単位となり、何か商売をイメージする上での対象となっていました。

ところが、「おひとりさま」の増加や、長寿命化によって複雑な家族形態が増えたりといったことが原因で、ライフスタイルがものすごく多様化してきました。



■ライフスタイルを階層別で分析

「おひとりさま」って言葉はなんとなく旦那さんや奥さんに先立たれた高齢の方を指すことに思ってましたが、実はこれから先は、30代から80代くらいまでのおひとりさま世帯がまんべんなく増えいくことが、統計上で分かってるそうです。
医療の発展による健康なシニアの増加、おひとりさま産業の発達、女性の高所得化、男性優位社会の崩壊など、原因と思われることはたくさんあります。

『日本人はこれから何を買うのか』 著:三浦展 を参考にさせていただくと、
増えていく30代からのおひとりさま中心の世代はいくつかの階層に分けれるようです。

①シニア団塊世代(60~ 男女)
②ミドル男性(40~60 男)
③ミドル女性(40~60 女)
④若年女性(30~40 女)
⑤若年男性(30~40 男)

そして、この階層ごとで消費活動の変化を見てくと結構面白いことが・・・

①シニア団塊世代
いままで仕事一筋でがんばってきた反動で、超個人的な趣味に走る人が増えてきた。
もともと夢や欲望に対してのモチベーションが強い。
増加消費対象:語学、スポーツ、音楽などの趣味、教養。クルマ

②ミドル男性
おひとりさまは特に顕著だが、生活レベルの質の高さを求める傾向。家庭を持っていても、子どももある程度大きくなり、仕事もある程度自由のきくポジションになってくる。
増加消費対象:高級家具、音響設備、快眠関連

③ミドル女性
もともとバブルも経験してるため、消費行動自体はこなれてる。ただ、不況もあわせて経験してるのでモノよりもコト、経験などに価値を見出すのが合理的だと思ってる傾向がある。
増加消費対象:演劇やクラシック鑑賞などの「観ること」消費。ヨガなどの健康関連

④若年女性
社会的意識が高くなってきてる。ビジネスとしての進出ももちろんだが、ボランティアなどの参加や家族への経済的援助なども増加してる。
増加消費対象:仕送り、寄付。歯のホワイトニング、スーツ(仕事での優位性)。

⑤若年男性
「家庭化」がすすむ。弁当男子に代表されるように”食”に対するこだわりが強くなってる。ただ、外食へ方向性は向かない。基本は一人が落ち着く。
増加消費対象:出汁(ダシ)、本格調理器具。ジューサーなどで「間食の主食化」



■消費活動の集中化

①~⑤を見ていくと、ある方向性が。
①シニア団塊世代→若者化
②ミドル男性→おうち志向化
③ミドル女性→アクティブ化
④若年女性→仕事重視化
⑤若年男性→主婦化

年齢や性別差が中和されてきてるんですね。
老若男女の各階層別での特徴がなくなってきてる。

実際の消費活動の範疇で見てくと、
ユニクロやGAPなどのファッションは、ユニセックス、ノーエイジでさまざまな階層に受け入れられます。
コンビニなどで売られてる「プレミアム商品」なんかも、コンビニというボーダーレスな空間で販売するこからこそ、あらゆる層に刺さるプロモーションが可能になってます。

結果的にそのあたりが単一的になってくることによって、商品やサービスなんかも密度の濃いものを集中して作ることも可能になってくるんですね。
資源も集中できますし。
新しい技術なんかも、こんな方向性を持って進んでくってことを知っておくと面白いです。




参考になりましたら幸いです。
いろいろなサイン・ディスプレイ扱ってます。