新製品が市場に受け入れられるプロセス | SP館のブログ 空間づくりのおてつだい

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どのような商品やサービスを提供するビシネスにおいても、新しいモノを市場に投入していくことにより事業を継続していきます。
そしてこのような行為は、えてして前例がないことに挑戦することとなり、その評価は市場にてくだされることとなります。

テクノロジーライフサイクルという考え方において、そのような市場の受け手を5段階の層に分けて分析する手法をご紹介します。主にハイテク商品に関しての考え方ですが、日常品においても十分通用するところはあるように思います。



■5つの顧客層

①イノベーター(革新者)
新しいテクノロジー商品を求める層で、いわゆるオタク、マニアと呼ばれる人たちです。斬新なテクノロジーに敏感で、正式なマーケティング活動をする前に購入し、使用し始めてしまいます。当然ながら絶対数は少なく、企業としても収益源にはなりません。ただし、市場の中で彼らの意見は非常に影響力を持っています。


②アーリーアドプター(初期採用者)
イノベーター同様にライフサイクルのかなり早い時期に新製品を購入する顧客層です。イノベーター同様に情報感度が高い特徴はありますが、技術志向ではなく、新製品がもたらすメリット、目新しさなどに満足して購入する層です。


③アーリーマジョリティ(初期多数派)
テクノロジーよりあくまで実用性を重んじる顧客層。新しいだけでは購入しないため、購入前にかならず情報収集をします。このこの顧客層が全顧客層の1/3を占めると言われており、これをどうやって顧客として取り込むかが重要な課題となります。


④レイトマジョリティ(後期多数派)
基本的にアーリーマジョリティと同じですが、新しいテクノロジーを使うことに多少抵抗感があり、できれば業界水準が確立されてから購入したい思う層です。「まわりが使ってるからそろそろ自分も・・・・」という流れで、大企業などの信頼をほしがる傾向もあります。こちらも1/3を占めており、アーリーマジョリティと合わせ2/3を占めていることとなります。


⑤ラガード(動作の遅い人)
新しい技術が苦手なだけでなく、心理的にも嫌いな層です。





■新しい技術を市場に浸透させるには

ハイテク商品というと最近はあまりピンとこないですね。特に意識してない。
むしろこのことは、このようなテクノロジーライフサイクルを考える上では非常に重要なポイントとなります。

上記の5つの段階において②アーリーアドプターと③アーリーマジョリティの間には非常に深い溝があります。
「キャズム」と呼ばれてますが、実用性を重んじるアーリーマジョリティは、アーリーアドプターが買ったから、新しい製品を買うとは限りません。そのため技術的に革新的な製品はこのキャズムを乗り越えることがひとつの課題となり、そうしないとその背後にいる2/3の顧客にリーチすることができません。

現在においては「スマートフォン」がこのような製品の位置づけでしょうか。
数年前の出始めのころは海外製のPCの小さいタイプが主流でした。
タッチパネルのインターフェースになって、iPhoneが出て、技術的なことよりも実用性が重視されてアーリーマジョリティの層まで一気に普及した気がします。LINEや投稿型SNS、カメラ機能の進化などレイトマジョリティに普及するための業界標準の確立も進んでいて、通常のケータイからの意向もある程度進むことが予想できます。

大事なのは画期的な技術を一般的な生活レベルまで落としこむこと。研究レベルでは最高水準である技術にしても、日常生活で使えるモノになって初めて市場価値が生まれます。
本当にすばらしい技術は、わたしたちの生活の中に気づかないうちに浸透してます。


自分たちが提供しているものの、革新的な新商品。
お客さまに受け入れていただいてなんぼです。
すべてがこのような構図に当てはまるわけではありませんが、新しいものが受け入れられるためには創意工夫と辛抱強さが必要なのは共通の気がします。



参考になりましたら幸いです。
いろいろなサイン・ディスプレイ扱ってます。