人は人生をかけて、価値のある人間になる為に山を登ってゆく。しかし、死んでゆくということは、その山を降りてゆくということ。
だから、人生とはゼロから始まり、ゼロで終わってゆく。そういう意味で、私たちの人生は意味がないものということになる。
しかし、人生頑張ってきた人ほど、ゼロになることが認められない。こんなに頑張ってきたのに、それが無駄とは思いたくない。
だから、執着を起こし、価値のある所に立とうとする。
その為に現実の自分を否定してしまう。
でも、現実の自分を否定すると、心は苦しみに包まれる。
でも、どんなに苦しくても、価値のある自分に執着する気持ちが捨てられなくて、現実の自分を否定し続ける。
その結果、地獄のような苦しみはいつまでも続く。
私たちは悪いことをするから、地獄に堕ちるのではない。地獄は価値のある人間になろうとして、一生懸命生きてきたから、地獄に堕ちる。
頑張ってきた人ほど、ゼロになることを認められない。認めたくない。
でも、認められないから、死後地獄へと堕ちてしまうのですね。