仏様はいつも私たちを見ておられる。何も語って下さることはないが、その代わり、私たちに色々なご縁を与えてくれることで、考えさせる。
例えば、何かにとらわれている人には、無常というご縁を与える。とらわれているものを失わせて喪失感を与える。
それによって執着を断ち切らせようとする。
それでも執着が断ち切れず、追い求める人には、もっと大きな無常を与える。そして、とことんまですべてを奪ってゆく。
世の中では、これを破滅というが、仏様から見られたら、大事なものに気づかせる為のご縁。
智慧のある人はすべてを失う前に気づく。でも、智慧のない人はすべてを失わなければ気づかない。すべてを失っても、大事なことに気づくことができたならば、それはとても幸せなことだと思います。
そういう意味で人生そのものが仏様との対話。真実から逸れていたならば、無常というご縁を頂き、段々と軌道修正してゆく。
そうやって本当の幸せへと進んでゆくのです。