仏教で教えられる戒とは、開けたら閉める、出したらしまう、使ったら片付ける。すべてのものを元に戻す習慣を身につけることが戒です。
この元に戻す習慣を身につけることによって、自分の心もゼロに戻そうとする心が起きます。
私たちの心は煩悩に塗れているから、放っておくと心が穢れてゆきます。
でも、多くの人は穢れてくると、その穢れを誤魔化すばかりで、ちゃんと向き合って解決することはありません。
それどころか、怒りを起こし、穢れを吐き出して、他人に押し付ける人もいます。
穢れは自分が起こしたものだから、自分で浄化してゆかなければならない。
この穢れを取り除く力が戒の力。
戒を身につけることで、自分の心に溜まった穢れに気づき、戒を実践することで、自分の心から穢れが抜けてゆく。
人は穢れが溜まるから、正しい判断ができなくなる。穢れが溜まって苦しい筈なのに、余計、穢れが溜まるように動いてしまう。
だからこそ、自分の身の回りのものを元に戻すことによって自分の心もゼロに戻す。
心はゼロに戻すからこそ、いつも元気でおれる。フラットな気持ちで困難にも向かってゆけるのです。