人は価値のあるものを手に入れたら、価値のある人間になれると思っていますが、実際、価値のあるものを手に入れても、自分は価値のある人間だと思えません。
でも、価値のあるものを手に入れたから、価値のある人間になれた筈だと思うので、価値のある人間と感じる為に、まわりの人を見下し、優越感を味わうことによって、価値のある人間だと思おうとします。
だから、豊臣秀吉のような天下を取っても、自分は価値のある人間になったと実感できず、激しく周りの人を見下して満足するしかないのです。
だから、権力とは闇であり、権力を手に入れたら、幸せになれると思っている人は、その権力の先に深い闇が待っていることを知りません。
だから、みんな権力を手に入れて苦しみの底に沈んでゆくのです。
幸せは価値のある人間と思えるようになることによって得られる。それは価値のあるものを手に入れることではなく、まわりの人の価値を認めることによって得られるものであると知らなければ、見当違いのものを求めてしまうのですね。