自分が見ている相手は現実の相手ではなく、自分の心で生み出した相手。
これが唯識の基本的な考え方です。
自分の心で生み出した相手とは、心のスクリーンに映る映像ということです。
だから、その相手に向けた思いは自分に向けた思いと同じ。相手に対して傷つくようなことを思えば、自分の心が傷つく。
でも、私たちには分別心があるから、相手に対して思ったことは、自分が悪人になった時にしか返って来ない。
だから、ついつい相手を悪人にして、悪人だから傷つけてもいいんだと思ってしまう。
なかなか相手に対して思ったことが自分に返ってくると分かることは難しい。
相手は自分なんだと頭で知ることはできても、本当に分かることはなかなかできないことなんですね。