私たちは誰しも因果の道理を信じています。だから、善をすれば、善果がやってきたら、悪をしたら悪果が来ると思っています。
しかし、それは善人に対してであって、悪人に対しては、傷つけるようなことをしても、それが悪だとは思わないし、それによって悪果が来るとは思っていません。
私たちはなぜ悪人が傷ついていても、当然の報いだと思っていて、悪人は苦しめばいいと思っています。
でも、因果の道理から言ったら、相手が善人だろうが悪人だろうが、悪をしたら悪果が来るし、善をしたら善果が来る。相手は関係ない筈なのに、私たちは相手が悪人になると、途端に無慈悲になります。
でも、真実から言ったならば、どんなに相手が悪人だろうが、苦しんで当然と思っていい人なんかいません。仏様だったら、傷ついていること、苦しんでいることを可哀想だと思って、慈悲を起こします。
この世に苦しんで当然の人も傷つけて当然の人なんかいません。それはすべては自分に返ってくるからです。
相手と自分は関係ないと思う心から、人は悪を造り、苦しみが生み出されることを知らなければなりません。