幸せとは、布施を受けた時に感じるものです。他人から親切にしてもらった時、私たちは自分の存在を大事に思って嬉しくなるものです。
しかし、誰でも親切にしてもらったら、感謝の心が起きる訳ではありません。相手の好意を当たり前に思い、当然と流してしまう人もいます。
それどころか、不満を起こし、ここが至らなかったと非難する人さえいます。
施しを受けることは幸せなことなのに、受け取り方一つで幸せだと感じたり、不満に思ったりします。
この違いはどこから起きるのでしょうか?
仏教では、どんなにまわりの人が親切にしても、受ける側の受け心がなかったならば、幸せを受けることができず、逆に苦しみに感じる人もあると教えられます。
では、受け心はどうしたら身につくのでしょうか?
それは自分自身がどれだけ真心で施しをしたかで決まります。
布施をしてこそ、相手の布施も受け取れる。
自分がやるからこそ、真心でやるのは難しいと知らされるし、他人の何気ない行為も、そこに優しさを感じて、幸せに感じたりする。
だからこそ、お釈迦様は仏法の聞き始めの人に布施を勧められたのです。
布施こそ、幸せになる為に大切な種まき。
幸せな気持ちで生きてゆくのに、必要な善なのです。