人は段々と歳をとってゆく。逃れることができないことではあるが、老化というのは、今まで出来ていたことを少しずつ奪ってゆく。
この老いという病は、どんな人も必ずやってくるものであり、それは死の準備をする時なんだと思います。
人は必ず死ぬ。でも、それが突然やってきたら受け入れることができないので、その前に老いがやってきて、この先に死がやってくるのだと教えてくれているのだと思います。
人生とは、山を登るように、より高いところを目指して進んでいる。でも、老いとは、今まで手に入れてきたものを失ってゆく時期。
そして、すべてを失うのが死。
死がやってきて、苦しむのは、手に入れてきたものに執着して自分を高い所にいるから。だから、老いという段階で、高い所にいた自分が下に降りて謙虚になってゆく。そういう時間を過ごさないといけないのだと思います。
でも、歳とって、死が近づくほど、人は執着が増す。死を受け入れるどころか、死を見なくないと否定してしまうものも人間なんだと思いました。