この世で最も苦しい世界とは、苦しみさえも感じることができない世界だと思います。
私たちはいつも自分を感じるために生きています。
他人から認められたいと思うのも、認められることによって自分を感じるから。
自分を感じることによって安心する。
だから、この世で最も苦しい世界とは、自分を感じることができない世界。
ここに存在しながら、存在を感じない、居るようでいない。
それは最も苦しい。
苦しむことは、強烈に自分を感じる行為。
だから、苦しみを感じることは、まだ苦しみの浅い状態。
本当の苦しみは苦しみさえも感じることが出来ないところにある。
私たちは自分を感じない苦しみを味わいたくないから、自分の心を傷つけて苦しみを味わせても、自分を感じようとする。
苦しみさえも感じることができない世界。
それはこの世のどんな苦しみを味わうよりも、もっと深刻で深い苦しみなのです。