どんなにお金を得ても地位や名誉、財産を得たとしても、死んでゆく時には何一つ持ってゆくことはできない。もちろん生きる為には、お金は必要です。でも、私たちがお金を求めるのは、ただ生きる為ではなく、お金には価値があり、お金を得た人は価値のある人間になれるからです。
しかし、どんなにこの世で価値のあるものを手に入れて価値のある人間となったとしても、手に入れた価値は無常のものであるから、死んでゆく時には何一つ持ってはいけないし、手に入れる為にかけてきた労力もすべて無駄になります。これが分かると無常のものを得るために苦労することは意味のないことであり、もし無常のものしか知らなかったならば、人生そのものが無駄なものになってしまう。
だからこそ、私たちは死んでも崩れないものを求めなければ人生に意味がないことになり、その死んでも残るものこそ、私たちの肉体に宿る業なのです。
だからこそ、この業を幸せな業にする為に私たちは生きているのであり、そのことが本当に分かったならば、私たちは苦労を求めてでも、業を変える為に生き方を変えるようになるのです。