よく人間は煩悩の塊だから煩悩は無くなることはないという人がいる。しかし、それは煩悩のことを欲だと思って、人間は欲から離れられないから煩悩はなくならないと思っているのではないかと思います。
煩悩は欲ではない、欲を貪る心こそ煩悩である。この貪りの心は欲を満たしても満たしても、ただ不安を誤魔化しているだけなので、不安を感じないように、いつも欲を探し続ける。この時間ができるといつも欲を求めずにはおれない心が煩悩なのです。
確かに人間というのは、時間ができるといつも欲を探している。そういう意味で、人間とは煩悩の塊とも言える。でも、どんなに欲を満たしても現実は変わらない。だから、人生を無意味に過ごしていると自覚されると、欲を満たすことが空しくなる。そして、欲から離れてゆく。
貪りという煩悩から離れるためには、如何に欲の空しさが知らされるかで決まる。人生の無常が知らされたら、貪欲という煩悩からも離れてゆくことができるのです。