私たちは親から迷惑をかけてはならない。迷惑をかけるのはダメだと教えられる。でも、迷惑をかけないように、かけないように気をつけてゆくと、やがて自分のことを迷惑をかけるようなダメな人間だと思うようになる。それは、迷惑かけないように気をつければ気をつけるほど、自分は迷惑な存在だから、気をつけなければならないと思うからであり、自分は迷惑な存在だという念ができるからである。
確かに迷惑をかけることは良くないことだ。でも、世界で親だけは、迷惑をかける子供を許してくれる存在でなければならないと思うのです。たから、迷惑をかけないように思っている人に言いたい。あなたは迷惑をかけてもいいんですよ。迷惑をかけてしまう、そんなあなたを許してくれる存在があなたの親なんです。
子供は親にいっぱい迷惑をかけて育ってゆく。そして、迷惑をかけた時に、それを仕方ないなあと許してもらうことによって、自分の存在を肯定的に見ることができるようになる。迷惑をかけないように、いつも気をつけるより、ありのままの自分でも許されるのだと思えるようになったら、心もずいぶん楽になるのに。頭で分かっていても難しいものです。