諸仏方便ときいたり 源空ひじりとしめしつつ 無上の信心おしへてぞ 涅槃のかどをばひらきける
阿弥陀仏が私たちを導く機縁が熟して、阿弥陀仏のお力によって源空上人が現れて、二河白道という無上の道を進むことができる信心があることを教えられて、私たちが涅槃まで到達する道を明らかにされた。
私たちが苦しみを離れる為には、現実と向き合い、世界に見えるあらゆる人は自分の心を映す鏡だと知らなければならない。しかし、その為には現実と向き合い続けなければならない。現実と向き合うとは、見たくない自分の姿が見える。私たちは何よりも自分のことを自分自身が否定している。否定しているから、自分は善人でなければならないと思っている。善をするのは善人であり続ける為。それを源空上人はありのままの自分で救われる阿弥陀仏の本願を明らかにされた。救われるとは、自分で自分のことを許すこと。ありのままの自分でもいいんだと自分を解放させてあげること。この心にさせるのが阿弥陀仏の救い。阿弥陀仏に救われたならば、見たくない自分も向き合うことができ、それを許してゆける心を信心として頂く。見たくない自分と向き合い、それを許すこと。それが涅槃への道なのである。